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zoku勇者 ドラクエⅨ編15 悲しきリブドール・2

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「そうか、あんたが本物の……マキナだったのか……」

「天使様……」

少女……、姿を現した本物のマキナの幽霊はジャミルの方を見て、悲しそうに
頷くのだった。

「ジャミル、君、一体誰と……、まさか又、僕の目には見えない誰かと……」

「ああ、終わったら話すよ、……今、俺の目の前に本物のマキナがいる、
アイシャと一緒に誘拐された方のマキナは本当はマキナじゃ無いんだ……」

「……え、ええ!?」

アルベルトはさっぱり分からないと言った表情で困惑する。ジャミルは今、
目の前に現れた本物のマキナの幽霊から話を聞く事がまずは肝心だと
思ったのである。

「さ、マキナ……、教えてくれ、あんたともう一人のマキナ、マウリヤとの
関係を……」

「……はい……、病気で普通の子の様に遊ぶ事が出来ない私にとって、
お人形のマウリヤだけが唯一のお友だちでした、大好きな大切な
お友だち……、マウリヤと一緒に過ごせる日々、本当に幸せでした、
それだけが掛け替えのない私の大切な宝物、……けれど、私の病気は
どんどん酷くなり……、自分でももう長くない事が分かっていました、
もうすぐ天使様が私を迎えに来る事が……、そんな時、屋敷の召使いが
どんな万病にも効くと言う不思議な果実を取り寄せたのです、黄金色に
輝く美しい果実、でも、私はもうとっくに諦めていました、そんな果実を
口にしたところで私の病気が治る筈がない……、私の命は間もなく尽きるの
だと……」

「……これは……?」

ジャミルの脳裏に突然見た事の無い映像が流れ込んで来た。マキナの死の
直前の記憶。彼女がジャミルへと記憶を伝え、見せているのだった……。

「マウリヤ、見て……、キラキラ光って綺麗でしょう、まるでお星さま
みたいね、それにとってもいい匂い、この果実をあなたにも食べさせて
あげたい、……一人ぼっちじゃなくて誰かと一緒に……」

「……」

「マウリヤ……、ゴ、ゴホッ……、あなたがもし……、人間の様に
動いて……、お喋りをしてくれたなら……、あなたが私だけのお友だちに
なってくれたなら、ゴホッ、ゴホッ……、……ああ、天使様……、
私を等々お迎えに来たのですね……」

マキナの命の火が間もなく消えようとしていたその時、黄金の女神の
果実が光り出し、マウリヤの身体の中へと消えていったのであった。
そして、人形のマウリヤに命が宿り、マウリヤが喋り出す。

「マウリヤ……?」

「こんにちは、マキナ、私はマウリヤ……、あなたは私のお友だちね?
あなたとお話出来てとっても嬉しい!」

「ああ、マウリヤ……、あなた本当に……、折角……願いが……
叶ったのに……、でも、私は……もう……」

「なあに……?」

「マウリヤ……、私はもうすぐあなたと一緒にいられなくなるの……、
私の持っている物、全てをあなたにあげる……、お人形だと知られたら
あなたはこの町にいられないかも知れない、だから……私のふりをして……、
これからはあなたがマキナになるの……、マキナとして幸せになって……、
ね……?長生きして……私の代わりに……どうか……お友だち……沢山……」

「……そして私は息を引き取りました、私の言葉を守る為、マウリヤは
私、マキナになり、誰にも気づかれぬ様、ひっそりと此処に私のお墓を
作ったのです……」

「そうだったのか……、あんたらそんな複雑な事情が……、
……勘弁してくれよ……」

ジャミルは目を伏せる。流石のお気楽ジャミ公もこんな複雑で重い
事情にはとても耐えられなかった……。

「天使様……、あなたの大切なお友だちが捕まってしまったのも
全ては私の所為、町中を騒がせた罪も本来なら全て私が背負わなければ
ならないのです、どうか……マウリヤを……責めないで……」

「マキナ……」

マキナはそれだけ言うと姿を消す。そして、悲しそうな言葉も残して……。

……天使様……、私の大切なお人形……、私の大切なお友だち……、
大好きなマウリヤをどうか助けてあげて下さい……、あなたの
お友だちも巻き込んでしまって本当に御免なさい、二人の事、
どうか……お願いします……

「マキナ……、分かってるよ……、大丈夫さ、心配すんな……」

「……そっかあ~、女神の果実のチカラでお人形さんがヘンテコ
お嬢さんになってたって言うコトだね、あんだけたのみこまれちゃー、
ほっとくわけにいかないよね!よーしっ、天使のジャミ公サマ、
ちょちょいのちょいで、ヘンテコお人形さんを助けにいこーっ!」

「……おい、天使のジャミ公って……、何だその呼び方は……」

「ジャミル、そろそろ僕にも説明をお願い出来るかな……」

「アル、分かってる、けど、この事はダウドにも聞いて貰わなくちゃ
なんねえ、モンの事もあるし、まずは宿屋に戻ろうや、全てはそれからだ……」

「うん、そうだね……、分かったよ……」

二人はマキナの屋敷を後にする。サンディもジャミルの中へと
姿を消した。屋敷を出ると、からくり職人の爺さんが町中
彼方此方に伝え捲ったんだか、……既にマキナ誘拐の件は
既に町中に広がり大騒ぎになっていた……。

「す、凄い事になってるね……」

「……たく、ややこしいなあー……」

案の定、パニくった町民がジャミル達の方へと泡食って走って来た。

「ね、ねえ、君達、大変な事になっちゃったね!ああ……、
マキナお嬢さんのお屋敷には殆ど財産が残ってないそうなんだよ、
マキナさんがお友だちに何でもかんでもあげてしまったからだって、
……僕のお小遣いなんかじゃ身代金が到底間に合わないよね……」

町民は、とぼとぼと、肩を落とし去って行った……。……実際、
マキナが友達だと認めた相手は、マキナから望んだ欲しい物を
受け取ると、そのままトンズラし、二度と会いにも来ない様な
冷たく非常識な付き合いが多かったのである。

「そうなのか……、けど、誘拐した奴ら……、両親が既に他界してる事も、
知らなかったんかいな……」

「ぼ、僕にはなんとも……」

「はあはあ、お、おおーいっ!坊やたちーっ!」

「爺さん……」

次に走って来たのはからくり職人の爺さん。出来ればまだあまり事を
大きくしないで欲しかったよ……、とジャミルは思った。

「いやはや、とんでもない事になったのう、……マキナお嬢さんが無事だと
良いのじゃが……」

「爺さん、後は俺達に任せてくれないか?マキナ穣さんは必ず探して
助けてみせるから……」

「僕達を信じて下さい、どうか……」

「何と頼もしい坊や達じゃ、君達なら本当に任せて安心な様な
気がしてきたよ、……それにしても、お嬢さんお気に入りのあの
人形は一体何処へ消えたんじゃ、幾ら探しても見つからん、
あの人形は特別製でしてな、儂がお嬢さんに頼まれて作ったん
じゃよ、大きさも見た目も何もかもお嬢さんそっくりのあの
人形をのう、病気の為、外で遊べないお嬢さんが可哀想でな、
……喜んで貰える様、それは腕を振るったもんじゃよ」

「……」

「そうじゃ、身代金の事なら、一度町長さんに相談してみてはどうかのう?
マキナお嬢さんを助ける為に力になってくれるかも知れん……」

「そうか、……その手があったか!」