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zoku勇者 ドラクエⅨ編15 悲しきリブドール・2

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「行ってみよう!」

二人は爺さんから町長の屋敷の場所を聞くと急いで駆け出す。マキナを救う為、
きっと力を貸してくれると思っていた。だが……、余りにも身勝手な町長の
態度に怒りを覚える事態になるのである。

……ジャミルとアルベルトは非常に不愉快な面持ちで宿屋への帰り道を
急いでいた。早く事をダウドに伝え、アイシャ達の救出に自分達だけで
向かう決意をした。勿論身代金など用意出来ない。一か八かの強行手段で
ある。マキナ……マウリヤとアイシャを救う為、2人は町長に力を貸して
貰おうとからくり職人の爺さんに場所を教えて貰った通り、町長の屋敷に
出向いたのだが……。

「……どうぞ……」

つい先程までの話。屋敷を訪れた2人は客室にて町長に話を伝える。
町長の奥さんは突然屋敷に現れた得体の知れない少年2人組を見て
怪訝な顔をしていたが、無愛想な態度を取りつつも取りあえずお茶を
出してくれた。……マキナ誘拐の件は既に町長の処にも伝わっている
様だったが……。

「いやはや、困った事になった物です、……マキナお嬢さんが……、
して、君達がお嬢さん救出に動いてくれると……?」

「ああ、そっちの方は俺らに任せてくれ!身代金の事は申し訳ねえと
思ってるよ、けど、これは囮なんだ、俺らも奴らにやすやすと金は
渡さねえよ、ちゃんと作戦を練る!マキナの屋敷にはこれまで
町中が世話になったんだろ?今こそ力を併せる時だろ?」

「ふ~む、ですが……」

「あなた……、どうするんですか……?」

ジャミルの言葉に町長は眉間に皺を寄せ、下を向いた。奥さんも怪訝な
表情を変えず、町長の方をじっと見ていた。そして暫く後、漸く町長から
出た言葉は……。

「ですが……、あなた方も耳にしていると思うのですが……、あの屋敷には
もう財産など一切残っていないのです、しかしこのままお嬢さんをほおって
おくのも目覚めが悪い……」

「……だからそれは僕達が!」

「いや、正直、儂の方から金を出すのもどうかと……、それにあなた方に
誘拐犯からマキナお嬢さんを救える力があるとも到底思えんのですよ、
……そんなひょろっちい体つきで……、一体何をおっしゃっているのかと……、
子供の英雄ごっこ処ではないのだよ!薄々金を持って行かれてしまうのが
オチだ……、ふん!」

「……んだと……?」

「……ジャミルっ!お願いです、僕らを信じて下さい、お金は貸して
頂くだけでいいんです、無事に事が済んだらお金もちゃんとお返しします、
町長さん、マキナお嬢さんと僕達の仲間を救う為、どうか……」

「いや、やはりお断りさせて頂こう、下手に素人が動くよりも此処は
警察に任せる方がいい、その方が無難だ、申し訳ありませんが早く
お引き取り下さい……」

「町長さん……」

アルベルトも必死の訴えも無視。町長はどうしてもジャミル達の事が
信用出来ず、金を出すのを渋っていた。……この糞町長にこれ以上交渉を
持ちかけるのは時間の無駄だと悟った2人は冒頭の通り、自分達の力だけで
マキナ達を救出してみせるとそう誓ったのだった。

「はあ、ごめんなさいね、マキナお嬢さんも相変わらず人騒がせだこと、
でも、心配は心配ですけれど……、やはり私達とは関係のない余所の
お嬢さんですから……、主人にも悪気がある訳ではないのですよ、では……」

「……畜生っ!充分悪気はあんだろっ!結局は厄介事に関わりたく
ねえだけじゃねえか!!」

「もうっ!サイアクっ!アタシもさすがにドタマにキタよっ!
イヤ~な感じっ!!」

「ジャミル、サンディ、気持ちは分かるよ、僕だって悔しいよ、
でも、あんな人達にもう無理を言って頼み込んでまで力を貸して
貰いたくない、僕達だけで2人を救出するんだ、絶対に……!!」

「ああ、分かってるさ!……見てろ、畜生!!」

そして、宿屋に戻った2人……。ロビーではやはりもう此処にも話が
伝わっているらしく、コック、メイドさん、元執事が……、もう仕事
そっちのけで話をしており大騒ぎだった。

「……あ、ジャミル、アル!お帰りーっ!話聞いてるよお、た、
大変な事になっちゃったねえ!!」

「ああ、俺らも屋敷に行って知ったのさ、……重ねてマズい事に
なっちまった……」

「マズい事……?か、重ねて?確か、アイシャも屋敷に行ってた筈……、
だよね?まさか……とは思うんだけどさあ~……、ものすご~く、
考えたくないんだけど……、そんな訳ないよねえ?ねえ……」

「ダウド……」

ダウドも2人を出迎えてくれたが……、一緒に戻って来る筈の彼女の
姿が見えないのに何か嫌な予感を感じ取った様子。虚ろなジャミルの
表情も見て……。

「その、まさかさ……」

「アイシャも一緒に巻き添えを食って連れて行かれてしまった
らしいんだよ……」

「……えええーーっ!?あああ、やっぱりいいーーっ!!」

「コ、コラっ!大声出すなっ!……寝てるモンの方まで聞こえたら
どうするっ!!」

「だ、だってええ~、えうう~……」

「あっ、ジャミルさん達っ、お帰りなさいっ!」

大声に気づき、メイドさん達もジャミルの方に近寄って来る。
ジャミル達は急いで使用人達に屋敷での脅迫状の事、身代金の
相談を町長にしてみたが断られた件を話した。

「アイシャさんまで!ああ、もしやと思って心配していたんですが、
……何て事!」

「全くもう酷エ話ですぜ!俺がその場にいたらこの自慢のフライパンで
一発ガツンとブン殴ってやったんですがね!……悔しいですよ……」

「他に、ど、どうにかならない物でしょうか……、汗汗、此処の
オーナーにも一応……、相談してみたんですが……、払える金なんか
余裕は無いと、やはり断られてしまって……」

「そうか、あんたらも……、揃いも揃って……」

ジャミルとアルベルトは揃って落胆する。使用人達は宿屋の
オーナーと息子にも身代金の件を相談したらしいが、人でなしの
性格、自分達の身が可愛い為、速攻拒否されたらしい。

「本当に……、旦那様も坊ちゃまも酷いですよ……、あんなにお嬢様に
お世話になったと言うのに……、幾ら何でも冷たすぎます……」

「……」

男衆は押し黙る。メイドさんは下を向いて涙を拭いた……。其処に
傲慢親子が姿を表す。

「そいつは聞き捨てならないね……」

「全くだよ親父、おい、テメエら、使用人の癖に仕事さぼりやがって!
口だけは達者だな!……ええっ!?場合によっちゃ給料払わねえぞ!!
……どうなんだよっ!!」

「旦那様、……坊ちゃま!!……そ、その……、決して仕事を
さぼっていた訳では……、私達、只、お嬢様達の事が心配で……」

メイドさんが縮こまり、後の2人も押し黙る……。ジャミルは舌打ちし、
現れた親子を強く睨んだ……。

「……ねえ、此処が本当に楽しいところ……?」

そして……、誘拐されたマキナ……、マウリヤとアイシャ。洞窟
アジト内にある牢屋に閉じ込められていた。マウリヤは特に何も
抵抗しないので、そのままの状態だったが、アイシャはあのまま
気絶した状態で縄で縛られ牢屋内に転がされていた。

「そうだよ、まあ、もうちょっと待てよ……」