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zoku勇者 ドラクエⅨ編17 悲しきリブドール・4

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「マキナさん……」

マウリヤは拘束されたままだったが、それでもアイシャを
心配させない様、力強く頷き、笑顔を見せた。

「分かったわ、モンちゃん、サンディ、マキナさんをお願いね!」

アイシャはそう言い、再び戦いへ。……ズオーへと怯まず
立ち向かっていくそんな彼女をマウリヤは切そうな顔で
見つめていた……。

(……アイシャ、あなたは本当に変で、そして、不思議な子……、
出会ってから、いつも私に勇気をくれて、大切な事を教えて
くれる、出来れば……本当の人間の女の子としてあなたに
出会ってお友だちになりたかった……)

「はあ~、あ、あっ!又っ!毒爆弾飛ばしてくるよおっ!!」

「させるかってのっ!俺もテンション上げておいたんだっ!
食らえっ!!」

ジャミルも転職してから初のテンションゲージ技発動。
だが、賊のゲージ技も実際使ってみるまでどんなもんか
良く分かっていなかったのだった。

……お宝ハンター。対象の相手が必ずアイテムを落とす。

「食らえ……、ねえ……」

「……ああああーーーっ!?」

「ホント、これじゃ旅芸人の時とあんまり変わんないじゃん……」

「お黙りっ!このヘタレっ!畜生、こうなったらもう只管
突っ込むだけだっ!押せ押せーーっ!!……おせちん……」

「こらっ、押すばっかりじゃ駄目なんだよっ!……君はっ!
また無茶しようとする!!」

「あいてっ!!」

ジャミ公、後ろからアルベルトにスリッパで頭を小突かれ、
暴走を止められる。

「いてえなっ!この腹黒ーーっ!!」

「……スカラ、掛けておくよお、えいっ!!」

ダウドはスカラでジャミルの防御力を上げておく。続いて、
アルベルトとアイシャにも。

「助かるよ!」

「ありがとうー!」

「うん、でも、MPが余り持たないし、そろそろ何とか
しないとだよお……」

「……諦めないわ、絶対に!あいつを倒して此処から皆で帰るのっ!
絶対に……」

4人は自分達の前に立ちはだかる化け蜘蛛、ズオーを見据える。
アイシャの言うとおり、何としても此処で負ける訳にはいかない。
だが、ズオーはジャミル達よりも、またマウリヤの方に目を向け、
彼女に向かって猛毒弾を発射しようとする。

「うっそーっ!ま、またこっち来るーーっ!」

「……シャーモンっ!!」

「はあーーっ!!イオーーっ!!」

だが、アイシャはミラクルゾーンで放てる限りのありったけの
魔法力をズオーに放出し、特大級のイオを唱え、マウリヤ達を
守るのだった。

「アイシャ……」

「マキナさん、早く絶対に帰ろう、帰ったら一緒にクッキー
作ろうね、それから、お花の種も一緒にまこうね!楽しみに
してるからっ!!」

「……え、ええ!」

「……私もミラクルゾーンのターンがこれで終わりだわ、皆、
後はお願いっ!!」

「任せなっ!!あいつももう体力がそんなに残ってねえ筈だっ!!」

「行くよおっ、受け取ってっ!ゴスペルソングっ!!」

「おー、音痴ソング発動だねっ!あれでHP回復しちゃうんだから、
マジ凄いっ!」

「……サンディ、うるさいんだよお!」

ダウドも温存しておいたゴスペルソングを放出。ジャミルと
アルベルトに掛け、HPを回復。此処で一発決めなければ
ならなかった。

「ジャミル、呼吸を合わせて、同時に行くよ!」

「ああ、決めてやらあっ!!」

「神よ、どうか僕らに奇跡を!!」

「……止めだああーーっ!!」

ジャミルとアルベルト、2人の連携攻撃が決まり、ズオーの
身体を切り裂く。ズオーは地響きを立てながら、等々その
巨大な身体を横たえた。等々ズオーに勝った、遂に強敵ズオーを
打ち倒す事が出来た。4人に喜びと安堵の表情が浮かび上がるが、
同時にどっと疲れが出て来た……。

「や、やっ……た、ふう……」

「やっぱり……、攻撃担当は疲れるよ……」

ジャミルとアルベルトはその場にしゃがみ込む。ダウドは慌てて
2人にベホイミを掛けた。

「お疲れ様、ジャミル、アル……」

「ああ、ダウド、オメーもな、良く頑張ったさ……」

「君もお疲れ様だったよ、ダウド……」

「え、えへへ……」

ダウドは何となく流れて来てしまった涙を指で拭った。
……ついでに鼻水もいつも通り垂らしておいた。

「もう、アンタらの強さって、変態級じゃネ?マジすっごーっ!
もう何が来てもダイジョーブってカンジなんですケド?」

「……変態級って、あのな、相当苦戦したぞ、今回……、
はあ……、冗談じゃねえっつーの」

「モンモン!」

サンディは褒めてるんだか、呆れてるんだか良く分からん
褒め言葉だった。モンはモンで嬉しそうにダウドの頭に
飛び乗るのだった。

「モン……、ま、またあ~、まあいいか……、さて、アイシャも
回復……、あ、あれ?」

「お……」

ダウドはアイシャも回復しようとしたが、また彼女の姿が見えず。
ジャミルも慌て出す……。

「みんなーーっ!」

だが、心配は要らなかった。直ぐにマウリヤを救出しに
行っていたのだった。アイシャに連れられ、マウリヤも
無事に走ってくる姿が見えた。

「有り難う、皆も無事で本当に何より、アイシャが蜘蛛糸から
助けに来てくれたの……」

「私も皆もマキナさんに助けて貰ったんだもん、お互い様よ!」

「ちっ、デコピンは免れたか……」

「何よっ!……ダウド、私の事よりも、まずは先に
マキナさんを助けてあげて……、今回、私達が勝てたのは、
マキナさんのお陰よ、こんなに頑張ってくれたんだもん……」

「アイシャ……、ううん、私は何も……、ただ、無我夢中
だったから……、あんな力が出たんだと思うの、私にも何か
出来る事をって思ったの、ただそれだけ……」

「マキナさん……」

「ふふ……」

アイシャとマウリヤは微笑みあう。ズオーも倒れ、マウリヤも
無事救出した今、……ジャミル達も決断しなければならない。だが、
ジャミルはアイシャを悲しませたくなかった。マウリヤもこのまま
幸せに生きて欲しかった。その為に……、女神の果実を諦める決意を
していた……。しかし、アイシャとマウリヤに別れが……、2人に
その時が訪れる……。

切欠は突然やって来る。……ジャミルが戸惑っている間にも、
彼女の口から……、本当の事が告げられようとしていた。

「さ、これで本当に帰れるね、ね、ジャミル、私、本当にMP
無くなっちゃったから、ジャミルにリレミト、お願いしていい?」

「ああ、疲れたな、やっと戻れるな、これで……、マキナ、皆も
心配してるよ、戻るか……」

「待って、……ジャミル、皆さん……」

マウリヤは今度はリレミトを使おうとしたジャミルを止める。
アイシャは又もリレミトを止めてしまったマウリヤの方を
不思議そうに見つめた。まだ何か不安な事があるのかと、
アイシャも又彼女を心配するのだが……。

「マキナさん、どうしたの……、もう帰れるのよ?あっ、
そう言えば、あの嫌な2人組はどうしたのかしら……」

「あ……」

そう言われてジャミルは思いだし、アルベルト達と顔を
見合わせる。タンスの中に賊2人組、奴らをそのまま
閉じ込めっぱなしだったのを……。