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耳、首筋、喉。
インナーを再びたくし上げて、胸のあちこちにちゅ、ちゅ、と唇を滑らせていく。
先程より赤くなった突起は一応避けてやるが、唇の端が当たるくらいすぐ近くにはお見舞いしておいた。等々力の身体に力が入るのがわかり、意識されていることに気分が良くなる。


「っ……羽李、」

「ん」


焦った声に喉を鳴らして応答しながら、腹やへそ、下腹部まで口付けを落としていく。
足の付け根に辿り着いたとき、びくんと等々力の太腿が跳ねた。


「やっ…」

「っ?」


前触れのない反応に鳥飼も驚いて顔を上げる。
等々力はというと、手の甲では抑えきれないと踏んだのか、手のひらで口を覆っていた。
自分でも何が起きたのかと言わんばかりに青灰色の双眸が困惑に揺れている。

鳥飼は場所を確かめるべく、先程口付けた付近に手を這わせてみる。
確かこの辺だったように思うが、等々力は構えたように強張ったまま固まっていて、特に何かを我慢している様子はない。

小首を傾げ、少し上へと手をずらすと、もう一度びくん、と太腿が持ち上がった。


「…え、ここ…?」


鳥飼が触れたのは骨盤だった。
どうやら最初の口付けの際、手を添えていた場所が骨盤だったらしい。
でもまさか、こんなところが…?
疑いつつすりすりと指先で撫でさすると、等々力が慌てて腰を捩った。


「あっ、やっ、め…!」

「お前……ここ気持ち良いの?」


訊ねながら骨の形を確かめるように指を這わせていく。側面の窪みの部分を、少し力を入れて押してみた途端。


「ひあっ…!う、羽李!」


嗜めるように呼ばれるが、口角はどうしようもなく上がってしまう。
試しに腹側の腸骨の内側に指を押し込んでみると、がばりともの凄い勢いで等々力が起き上がった。
手首を掴まれ、容赦なく捻り上げられる。


「あいててててて!!ギブ!颯ギブ!!」

「…そこは駄目だ」

「わかった!わかったから!!」


風鬼の力を解放しかねない威圧感と鬼気迫る形相で拒絶の意を示した等々力は、鳥飼のおざなりな承諾の言葉にひとまず腕を離した。
危うく曲がってはいけない方向に肘が曲がるところだった。

しかし骨盤とは…
え、じゃあポケットに手を突っ込んだらどうなるんだ?
そういえば颯は、普段腕は組んでもポケットに手を入れたりすることはほとんどない。それって…感じちまうから…?
……ちょ、エロすぎませんか、颯さん。


「…ま、追々な。」

乳首とあわせて、ゆっくり開発していこう。頑張れ俺。

ひとり頷いて、警戒モードに入っている等々力の肩を優しく押しやった。起こした上体を軽く後ろに倒し、後方に手をついて身体をひらいてもらう。

「お前はやっぱりこっちのほうがいいか」


足の間に手を潜り込ませて、熟れていた後腔にまた指を挿れていく。二本の指を余裕で咥えていたそこは、この短時間でまた狭くなっていて。
壁に指を馴染ませるように、丁寧に少しずつ動かしてやる。


「……ぅ、」


異物感に顔を顰めてはいるが、等々力の表情から痛みはなさそうで鳥飼は安堵した。
中をほぐしなおしながら身体を伸ばして相手の唇を塞ぐと、じわじわと等々力の背がシーツへと戻っていく。
舌を絡めればそれに応えようとしてくれる様が、非常にくる。
加えて鼻から抜ける甘く湿った息遣いに、鎮めていた官能が叩き起こされて暴れ出し、脳が焼き切れるようだ。

深さと、角度。それらは前回己の身体に覚え込ませたし、何度思い返したかもわからない。
記憶を頼りに鳥飼が中指を曲げ、あるはずの一点を押した。
瞬間、等々力の尻が一瞬浮き上がる。


「んんっ…」


唇を深く合わせなおし、呼吸を奪う。
強弱をつけて指を押し込んでやると、不規則に腰をぴくつかせてくる。

苦しそうな顔と、震える身体。
ああ……堪らない。

指を二本にして、鳥飼はひとつ息をつくと、思いきりその一点への抽挿を激しくした。


「は、あっ……ぅぅん!」


中のローションがぐちゅぐちゅと泡立ついやらしい水音が漏れてくる。
息継ぎのタイミングで堪らず等々力が声を上げるが、すぐに塞いで嬌声ごと飲み込んだ。
休む間もなく揺さぶるように中を掻き混ぜると、等々力の身体が痙攣し、すっかり勃ち上がった逸物から先走りが流れ出て彼の竿を濡らしていく。

指を抜き、健気に反り返るその逸物を扱き上げてやる。
等々力が口付けから逃げようと頭を振るが、弱々しい動きは容易に押さえ込むことができた。


「んっ、…ふ、んんっ」


力の入っていない拳がこちらの胸を押してくる。その手を掴み返してひらかせ、指を絡めて繋ぐと僅かに握り返してくれた。拒絶かと思いきや求めるような仕草に、言いようのない愛しさが込み上げてくる。

そして等々力が息を詰めると、一拍遅れて白濁が吐き出された。
名残惜しさに口腔内をひと通り味わってから鳥飼が顔を離してやると、等々力は荒い呼吸に肩を上下させる。
唾液が互いを結んだままの弛緩した口元は色気に満ちていて、もう一度塞いでしまおうかと近づきかけたとき。


「はあっ……、こ、殺されるかと…思ったぞ…」

「ぶふっ……なんでだよ…」


予想だにしない物騒な発言につい吹き出してしまった。


「…意味がわからないほど……気持ち良かった…」

「死んじゃうくらい?」

「ああ…、危なかったな」


真面目な顔をして言うものだから可笑しくて、鳥飼は肩を揺らして笑う。


作品名:加減、出来ます。 作家名:緋鴉