zoku勇者 ドラクエⅨ編19 働く4人組・2
持たせてくれたお菓子をむさぼり食っていた。最も、代表で
むさぼり食っているのは、約一名と約一匹であるが。
「んーっ、うめーっ、我は満足であるぞよ!」
「モンも満足であるぞよ、モンっ!」
「……全くもう、君達は……、あれだけ腹を膨らませておいて……、
萎んだらすぐこうなんだから……、ジャミル、喉元過ぎれば熱さを
忘れるって言葉を君は知らない?」
「知らん、俺は今が美味ければそれでいい」
「……そう……」
「いいんだモン!」
アルベルトは意地汚い飼い主と、その相棒であるモンを交互に見つめる。
静かに紅茶を啜りながら……。頼むからたまには上品に食えとも思うの
だったが……。古代の原始人の調教はやはり無理がある。
「……ちょ、ジャミルっ、それオイラの分のマドレーヌだよっ!」
「わりいなあ、つい手が出た、……ついでに屁も出た……」
「……うわ!」
……ダウドは慌て、残りの自分の分のおやつを確保しながら急いでその場から
自主避難するのだった。
「そう言えば、今日の夕ご飯当番、確かアイシャだったよネ?」
「……う、うっ!?」
サンディの呟きにジャミルは食べていたクッキーを喉に詰まらせ、
慌てて紅茶を飲む。そして現実に返り、絶望してみるのであった……。
「……ま、アタシは食べないから知らないケド……、ご馳走サマ、
じゃあ又ねーっ!」
サンディは専用おやつのトロピカルハチミツドリンクを飲み終えた後、
さっさと姿を消す。……恐る恐る、自分の席の横を見ると……。
満面笑顔のアイシャが……。
「そうよ、ジャミル、そんなに食べたら夕ご飯食べれなくなっちゃうわよ!
程々にしておいてね、あっ、今日はスペシャルカレーだからね!」
「……まーたカレーかよおおおっ!!」
「いつもスペシャルの様な気がするんだけどさあ……、そんなに気を
遣わなくていいよお……、とほ~……」
「……ダウド、諦めて腹を括った方がいいよ、君もね……」
「ううう~……」
覚悟はしているものの、アルベルトもダウドも既に涙目になって
いるのであった……。アイシャが真面な料理を作る日は……、果たして
来るのだろうか……。男性陣は涙目になりながら、セントシュタインの
宿で出して貰った特製美味料理の数々を思い出していた……。もう
あの味は暫く味わう事が出来ないのだから……。
「諦めたらアカン、お前らも、せ、せめて脳内で味を保管するんだ……、
思い出すんだ、目玉焼きが乗った特製ハンバーグ、サラダ、スープ、
……シチュー……、スイーツ……、はうはう……」
「……ごくり……」
「えーと、そろそろ準備しなくちゃ、ねえ、モンちゃん、今日はねえ、
キーマカレーって言うのに挑戦してみたいの、お手伝いしてくれる?
えーと、味付けにはハバネロをたっぷりと……、それからお味噌と
ラー油と後、豆板醤と濃厚牛乳……、あとあとねえ……」
「……」
やはりアイシャには敵わず……。せめて脳内で味おうと思った
特製料理もアイシャのキーマカレーに悉く潰されたのだった……。
「……勘弁して下さいいーーっ!!」
此処2、3日は何事も無く、快適な船旅であった。だが、
海を進むにつれてどんどんと周囲の気候がおかしくなって
きていた。……蒸し蒸しと異様に暑いんである。4人は暑さで
眠れず、夜は涼しくなる筈が、熱帯夜に困っていた。
「あづい、あづい、あづいよおお~……」
「本当に熱帯夜だね……、どうしたんだろう……」
「まいったなあ~……」
眠れない男衆は少しでも夜風を浴びようと甲板に出てみる。
其処にモンを連れたアイシャも甲板に上がって来る。
「よう、お前もか……、困るよな……」
「うん、暑いのも困るけど、モンちゃんが我儘言っちゃって、
困ってるのよう……」
「……あづいあづい、あづいモンーーっ!!いちごのアイスクリームっ!
シャーーっ!」
普段からサンディと並んで我儘なモンが大人しくしている筈はなく、
アイシャを困らせている様だった。
「……ま、暑いハズっしょ、アンタら、あれ見てみ?」
「……?お、おお……」
サンディに言われ、ジャミルは甲板から身を乗り出し目をこらして
暗い海を確認。よく見ると、目先には大陸が有り、其処には広大な
砂漠の地平が広がっていたのである。
「新大陸かもな……、でも、砂漠かあ~……、ま、これもお約束って奴だな……」
「オ、オイラ嫌ですよ、……只でさえ暑いのにっ!!」
「分かった、じゃあお前は暫く此処にいろ、俺らの探索が終わるまで
船で留守番してろや、何日掛かるか分からねえけど、その間に干からび
ねえようにな……、暑いからな、スルメになるなよ」
「あう、行きます……、ジャミルのタコ……」
どっちにしろ、文句を垂れた処でダウドに選択権はない。此処で黙って
皆を待っていてもミイラ化待ったなしだった。
「ふぁ、じゃあ……、私達、明日に備えて我慢してもう休むね……、
暑いけど……」
アイシャはモンを連れ船室まで戻って行く。尚、さっきまで文句を
言って暴れていたモンはいつの間にか爆睡していた。
「ぷうぷう、……ぷっ」
「ちょ、やだ、モンちゃんたらっ!おならしちゃっ、もうーっ!」
アイシャに抱かれたまま、気持ち良かったのかモンは寝屁。呆れながらも
アイシャはそのまま部屋へと入っていった。
……翌日。一行は少しでも気温が涼しい内にと、西側の岸に船を着け、
砂漠大陸に上陸、潜入する事に。
「町も何もなかったらアウトだよお~……、うう~……」
「ま、行ってみるしかねえな、アルもアイシャも平気か?」
「うん、僕は大丈夫」
「私もよ」
「よし、……ちら……」
ダウド以外の3人は目線でダウドの方を見る。じっと見つめられ、
ダウドは大慌てになるのだった。
「……何だよお!平気ですよお!!」
「だな、じゃあ行くか……」
こうして、相変わらず煮え切らないダウドに無理矢理返事をさせ、
一行は砂漠の中を歩き出す。サンディはさっさと発光体になり、
ジャミルの中に姿を消している。モンはダウドの頭の上、いつもの
定位置……。
「モン、ねえ、たまには飛んで移動してくれない……?」
「やーモン!」
「あうう~……」
今日も始まったダウドの愚痴とモンの我儘。其処にこの大陸での
モンスターがお出迎えしてくれる。ジャミルとアルベルトは
それぞれの破邪の剣を構え、アイシャはいつでも魔法を発動
出来る様、体制を整える、……ダウドは困っている。出現
モンスターはウパパロン、顔は蛇の様であるが、外観はダチョウの
様に足の長いモンスター、デザートランナー。
「あううーーっ!!」
「シャアーーっ!!」
「行くぞおおーーっ!」
まずは突撃切り込み隊長、ジャミ公、デザートランナーに突っ込む。だが、
デザートランナーは長い足でひょいっと素早く動くと、ジャミルの攻撃を
交わすとアイシャの方へと回る。
「っと!……アイシャっ!」
「はーい、私は大丈夫よっ!えいっ、ヒャドーっ!当たったわーっ!」
「こっちの方がやばいかもね、数が多いし……」
アルベルトが頬に汗を滲ませる。バイキングカブトを被った
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編19 働く4人組・2 作家名:流れ者



