zoku勇者 ドラクエⅨ編19 働く4人組・2
オレンジ色のウーパールーパー系のモンスター、ウパパロン。
以前にツォの海辺の洞窟にもこんな様な敵がいたが、向こうは
水棲系だったのに対し、此方は炎系の様である。……その証拠に、
ウパパロンは揃って此方に向かって集団で火の息を吐いてきた。
「う、うっ!?」
「……やべえっ!!」
3匹で一斉に火を吐かれてはたまったモンではない。男衆は初っぱなから
大ダメージを追ってしまいそうに……。デザートランナーの方が片付いた
アイシャが急いで駆けつけ、ヒャダルコをウパパロン集団にお見舞いする。
「みんな、大丈夫!?」
「俺の方は何とか……、ただ、アルの方が火傷したみたいだ……」
「僕も大丈夫だよ!」
「無理しちゃ駄目よっ!……もうっ、しつこいんだからっ!!」
再び襲ってきたウパパロン集団に向け、アイシャのヒャダルコ乱舞で
ウパパロンはバタバタとその場に音を立てて倒れた……。だが、彼女も
1回の戦闘だけで大分MPを使ってしまった様だった。
「はあ、こんなに苦戦するなんざ……、まだまだ俺らは此処の場所じゃ
新米ってとこだな……」
「新しいお米のご飯は美味しいモンモン!」
「モン、その新米じゃないから……、有り難う、ダウド、大分良くなって
来たから、もう平気だよ、アイシャも有り難う!」
「うん、もしもまだ痛みがある様だったらいつでも言ってね……」
「じゃあ、ジャミル、先に進みましょうか」
「ああ……」
アルベルトが大丈夫らしいので、一同再び砂漠を動き出そうとする。
だが、其処にまたまたウパパロン集団が出現したのだった……。
「冗談じゃねえってのっ、んなに何度も戦えるかっ!逃げるぞっ、お前らっ!!」
「あわわわーーっ!!」
ジャミルの言葉に一番最初にダウドが反応し、逃げ出そうとする。
今の状態ではとてもではないが、これ以上戦えないのをアルベルト
自身も分かっていた。MPの尽きかけたアイシャも……。そして、
まだまだこの世界に蔓延る強敵との力の差を今日は特に4人は
思い知らされた。LVを上げ、強くなっても向かうその先には
それ以上の強敵が常に待ち構えている事を……。
「……あ、ああっ!?」
「アルっ!!」
ウパパロン集団に追い掛けられる中、体力の無いアルベルトが倒れてしまう。
暑さにも相当やられていたが、堪えていたのであった……。
「……ジャミルっ、アルが大変よっ!!」
「ひえええーーっ!!」
「野郎ーーっ!いい加減にしろーーっ!!……アルーーっ!!」
ジャミルはウパパロン集団に向かって決死のダイブキックで突っ込み、
ウパパロン集団を蹴り捲ると、倒れているアルベルトを救出、背中に背負い、
再び仲間と共に急いでその場から逃走する……。更に厄介な事に、デザート
ランナーも後ろから一緒に走って来た……。
「ごめん、僕、やっぱりトロいから……、迷惑掛けちゃって……」
「んな事言ってる場合じゃねえってのっ!いいから暫く休んでろよっ!」
「……ジャミル、僕……」
アルベルトはジャミルに背負われたまま背中の上で項垂れていた。そして、
根が真面目な為、悩み始めるのである。自分もこのままでは駄目だと……。
もっと強くなりたいと……。
……4人は砂漠の中をモンスター集団に追われ、あっちゃこっちゃへと
只管走り回っていた。アイシャはヤケになっているのか、これで5キロは
痩せたわあーっ!……と、。実は走り回っている際、近くに建物らしき物が
あったのだが、追われていて気づかない4人はそのまま素通りしてしまったの
だった。……漸くモンスターから解放された時には既に夜になっていた。
運良く見つけたオアシスで身体を休め、今夜は其処で眠る事に……。
「ぐうぐう、すーすー……」
「モンモン、ぷうぷう……」
「よく寝るなあ、あのコンビはよ……」
「ダウドもモンちゃんも疲れてるのよ、私もそうよ、アルも……、ジャミルも
そうでしょ?」
「まあな、逃走中はもう懲り懲り……、って、言う訳にもいかねえんだろうな……」
ジャミルとアイシャは鼻提灯を出して眠っているダウドとモンの方を見つめる。
だが、アルベルトは座ったまま只管無言……。
「アル?」
「ん?あ、ああ、ごめん……」
しかしジャミルはアルベルトが眉間に皺を寄せているのを見て、又何か
1人で悩み出したのを察知。突っ込んでみる事にした。
「言ってみろよ……、お前がそう言う顔してる時は絶対何か言いたい事が
あるんだろ?いいから言ってみ……」
「アル……、もしかしてさっきの事、気にしてるの?別にいいのよ、
そんなの……、ねえ?」
アイシャはジャミルの方を見て同意を求める。ジャミルもその事で
アルベルトが気にして悩んでいるのなら、もういいから早く気分を
変えろと思ったが、どうもアルベルトは納得がいかない様だった。そして、
ぽつりと言葉を漏らす。
「僕も……、転職したいんだ、もっとこう、自分に合った職業があるんじゃ
ないかと……、はっ、ご、ごめん……、先に進まなくちゃならないのにね、
転職すれば又1からLVはやり直しだし、返って迷惑掛けてしまうよね、
……我儘言ってしまって……」
アルベルトの呟きを聞いて、以前にダーマで自分もいつか上級職に
チャレンジしてみたいとアルベルトが言っていたのを思い出す。ジャミルも
盗賊に転職し、LV1状態になり、初期状態で敵に何度もボコられ、
皆に迷惑を掛けたのだから、だから……。
「いいんじゃね?付き合うよ、お前がそう決めたのならさ……」
「ジャミル……?」
俯いていたアルベルトは漸く顔を上げ、ジャミルの方を見た。
「転職してヘタレになったのは俺も同じだしさ、いいよ、又ダーマに戻ろう、
オメーに合った職業をとことん探して見ろよ、それにこのままじゃ、俺らも
弱くて苦戦するばっかだしな、ま、又修行するんも必要だしな……」
「ほ、本当に……?」
「うん、私もいいと思うわ、ダウドもきっと賛成してくれるわよ!」
「アイシャ……」
「ぶうぶう、アイス100個食べるんだモン、……ジャミルにはあげないモン!
……ぶうぶう……」
「……こいつ……、ま、我儘なのはコイツもだから……、そう言う事、
決まりだな、よし、明日はルーラでダーマに行こうや、決まりっ!」
ジャミルは寝言を言っているモンの顔を横にうにょうにょ引っ張る。
それを見てアイシャはくすっと笑う。そしてアルベルトの手をそっと握った。
「頑張ってね、アルに適してる職業がきっと見つかる筈よ!」
「有り難う、ジャミル、アイシャ……」
……そう言う事で、再びダーマへの来訪が決まる。サンディは
最初ぶつくさ文句を垂れていたが、最終的にしぶしぶ同意して
くれたのだった。アルベルトの気分も落ち着き、眉間の皺も漸く
消えたのだった……。
そして、夜中……。
「……みんな、寝たわよね、大丈夫よね……」
アイシャは1人、野郎共が爆睡しているのを確認。のそのそ
起き出す。そして着ている一式も脱ぎ出す。こっそりと夜中の
水浴びに起きたのだった。
「ふふっ、綺麗な泉……、折角のオアシスだもん、勿体無いよね……」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編19 働く4人組・2 作家名:流れ者



