zoku勇者 ドラクエⅨ編21 我侭女王と恋したトカゲ・2
いたのでしょう、いつも失敗ばかりする怠け者のお前の事ですものね……」
「……」
ジーラは女王の怒りにそれ以上何も言えなくなり、黙ってしまい、
再び俯いてしまった。ジャミルは黙って見ていられず、女王に対し、
割り込んで口を挟む。
「ちょっと待てってのっ!確かにアンタのペットを逃がしたのは
この人の失態かも知れねーけどさ、俺らも見たよ、ジーラさんは
一生懸命城中を歩き回ってアンタのトカゲを必死で探し回ってたぜ!」
「……そ、そうです、僕らも見ています!」
「オイラ達が証拠人だよお!」
「ジーラさん、アノンちゃんの為に一生懸命でしたよ!!」
「モンモン!シャアーーっ!!」
「皆さん……」
ジャミル達はジーラを庇おうと一生懸命だった。だが、女王はバカにした
様に4人を見、そして最後に変なカオス顔のモンを見た。
「この不細工な人形は一体何なの……、まあいいわ、もう終わった事よ、
ジーラ、あなたは今日限りこの城をクビよ、今すぐ荷物を纏めて出て
行きなさい!!それで今日の事は許してあげます、あなたがこの城から
姿を消す事により……、二度と顔も見たくないわ……」
「じょ、女王……さま……」
「ユリシス様……」
「ふん……、ギロチンを免れるだけまだマシな方ではなくて!?」
「女王様、どうかそのお言葉お下げ下さい!確かにアノンちゃんを
逃がしてしまったのは、ジーラの失態です、ですが、クビなどと……、
余りにも酷すぎます……」
再びその場は騒然となり、大臣も固まる……。失態を犯したとは言え、
ジーラに対し、余りにも酷い問答無用の仕打ちである。黙っていられず、
遂に他の侍女の一人もジーラを庇おうとしたが……。
「お黙りなさい、あなたも一緒に此処を出て行きたいのかしら?」
「そ、それは……」
「……だから待てってんだよっ!!」
「うるさいわね、さっきから……!そう、あなた達がアノンちゃんを
探してくれたのですわね、一応お礼だけは言っておくわ、……あなた方は
黄金の果実を譲って欲しいのだったわね、それは無理な話だわ、だって今
私の手元に果実がないんですもの……」
「!?」
「女王様……」
ユリシスの目線は再びジーラの方へと向けられる。そして又、とんでもない
容赦のない言葉をジーラに浴びせた。
「お風呂から上がったら……、ね、果実が無くなっていたの、ま、どうせ
何処かの嫌らしいドロボーネコが盗んだのでしょうけれど……」
「わ、私、私……、ああ……」
「おーい、ジーラさん、アンタちゃんとはっきり言えよ!盗んでなんか
ねえってさ!このまんまじゃアンタ泥棒扱いのまんま城を追い出されんだぞ!
それでいいのかよっ!!」
「でも、私、私……」
ジャミルはジーラに強く言うが、臆病なジーラはそれ以上何も反論する
事が出来ず……、負けを認めてしまう事に……。更にジーラが犯人だと
完全に決めつけられる悪い事態が起こる。女神の果実を手に城の
女近衛兵が謁見の間へと駆け込んで来た……。
「女王様、大変です!アノンちゃんがいなくなった草むら周辺を
探しておりましたら……」
「まあ、黄金の果実ね……、そう、見つかったのね、これであなたが
果実を盗んだ犯人だと言う事が完全に証明されたわ、私への嫌がらせで、
アノンちゃんに果実を与えて盗んだ犯人にしようとしたのでしょう?
何処まで嫌らしいのかしら!このドロボーネコっ!!」
「だーかーらあああ!!」
「ああ、そうでしたわね、でもこの果実はあなた方には差し上げ
なくてよ?なぜなら、今からこの果実を一切れ残らず全部スライス
して沐浴に浮かべるの、黄金の果実を浮かべたお風呂はお肌を
すべすべにしてくれるの、あなたの探している果実はこんな
名誉な使い方をされるのよ、嬉しいでしょう?さあ、もう謁見は
終わりよ!あなた方もさっさと出てお行きなさい!ジーラ、
アンタもよ!」
「う、ううう~……」
ジャミル達4人はこの場ではそれ以上何も言う事も、何も出来ず……、
謁見の間を素直に出て行くしかなかったのである……。
「やれやれ、どうしてこんな事になってしまったのですやら……、
皆さんもすみませんでしたのう、折角アノンちゃんを助けて
頂いたというに……、ワシにはこれ以上何もできませんです、
本当にすまんですのう……」
無能大臣も只管4人に謝るだけである……。謁見の間の中から、
4人に対する女王の尺に触る声が聞こえて来た。
「さあ、アノンちゃん、今からお風呂に行きましょう、ばっちい
人達に沢山触られましたものね、バイ菌を落とさなくてはね……」
「しかも……、終いには菌扱いかよっ!腹立つなあーーっ!!」
「ホント、意地悪な女王様ね……」
「モンモンっ!頭の上にウンチ落としてやりたいモン!」
「仕方ないだろ、僕らにはこれ以上どうする事も……、でも、
このままじゃ……」
「果実……、どうするのさあーーっ!!」
4人が頭を抱えていると、最後に、暗い表情のジーラが
謁見の間から出て来た。
「私……、等々クビになっちゃいました……、でも……、女王様が
お怒りになるのは最もだと思います……、亡くなった先代国王様は
忙しさにかまけ、ユリシス様はいつも独りぼっちでした、そんな
ユリシス様の心の寂しさの隙間をいつも埋めてくれていたのが
アノンちゃんなのです、……さようなら旅人さん、アノンちゃんを
本当に有り難うございました……」
「ジーラさん……」
ジーラは4人に頭を下げ、礼を言うと静かに廊下を歩き出した。
恐らく自分の部屋へと荷物を纏める準備をしに向かったのだろうと……。
「冗談じゃねえよ、このままじゃ……、果実も何とかして取り返さねえと……!」
「……全くもうっ!何ヨあの女王っ!チョー感じ悪いんですケド!?
ジャミ公、急いで女王を止めなきゃ!アイツ女神の果実をスライス
するとか言ってたよネ!?そんな事になったら大変だっつーの!
ジャミ公、急いで女王達が向かった沐浴場へ急ぐのヨ!」
「そうは言うケドよ、……風呂だろ?まいったなあ~……」
「な、何よ、なんで私の方見るのっ!この際仕方ないわよ!
女王を止めなくちゃならないんだからっ!!」
「よ、よし、大丈夫だな……」
ジャミルは男衆が沐浴場に向かうのに、又アイシャが嫌な顔を
すると思ったが、流石にそんな事に構っていられないらしい。
大急ぎで沐浴場へとダッシュ。
「アル、確か……、1階の奥にそれっぽい様な場所、あったよな!?」
「うん、女性の兵士さんが番付きをしていたよ!」
もう女王を止める為なら、沐浴場に頭から突っ込もうと思った。だが、
やはりガードは堅く、女性近衛兵に摘み出されたのである。特にジャミル達、
野郎3人は近衛兵にゲンコツを喰らった。
「……お前達は女王様の入浴を覗き見する気か!汚らわしいぞ!!」
「んな事言ってられねーってのっ!頼むよ、女王に会わせてくれよ!!」
「私は女の子よ!駄目なの!?」
「……駄目だ!此処はユリシス女王様専属の沐浴場であるっ!」
……沐浴場の扉の向こうから、女王と何人かの侍女の楽しそうな声が
聞こえてくる……。
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編21 我侭女王と恋したトカゲ・2 作家名:流れ者



