zoku勇者 ドラクエⅨ編22 我侭女王と恋したトカゲ・3
……ドドドドド!どかっ!!
「あ~れええ~っ……!!」
「ダウドおおーーっ!!」
「キャー!大変だわっ!!」
後ろから不意打ちで突進して来た突撃ホーンに突かれ、ダウドが
遠くにかっ飛んで行った……。大分遠くに吹っ飛んで行ってしまう。
慌ててジャミル達もダウドを追い掛けようとするが、行かせまいと
ビッグホーン集団が立ち塞がったのである……。
「ちっ!邪魔しやがってっ!」
「ジャミル、此処は先にモンに様子を見に行って貰おう、モン、
頼めるかい!?」
「任せてモンーっ!」
「頼むぞ、俺らもすぐに後から行くからよ!」
モンは宙をふよふよ、ダウドが飛んで行った方向へと飛んで行った。
……吹っ飛ばされたダウドは大分遠くの方の草原で、お尻を
突き出す様な情けない格好で地面に這いつくばり、草を掴んで
倒れていた……。
「いたたたたあ~……」
「ダウド、大丈夫モン?」
「大丈夫じゃないよおお~、うう~、こ、こんな……、危険なとこに
いる先生とやらを探し回らなくちゃいけないなんてええ~……、
アイシャのアホおーーーっ!!」
「……はっ、くちゅんっ!!」
「おいおい、風邪かあ~?やめてくれよ、この時期によう~……」
「ち、違うわよっ!誰かが私の悪口をっ!ンモ~っ!!イオラーーっ!!」
「……お、おおお?」
アイシャはLVが上がり、習得したばかりのイオラを敵に向かって
放ち、全滅させる。その威力はハンパではなく、……ジャミルも
アルベルトも後ろに下がる……。
「わあー、自分で言うのもなんだけど、流石やっぱり上級魔法よね、
凄いわねっ!」
「あはは、でも、MPも大量に消費するだろうし、余り頻繁には
使えないよね……、ね、控えないとだね……」
「そうねえ~、勿体無いけど……、あ、またっ!ええーいっ!!
イオラーーっ!!」
「あ、アイシャ……」
「……注意してる側から多用すんなあーーっ!!」
「ぶうーーっ!!」
……そう言う訳で、又アイシャも一層逞しくなり?PTの戦力も増す……。
アルベルトも魔法戦士へと職業が昇格した訳だが、バトル中には余り
訳に立たない自身のゲージ技に、流石にこれは戦士の時の方が良かったと
ショックを受ける……。
「ま、剣スキル極限近くまで極めりゃ、ギガスラッシュ習得出来んだからよ、
期待してるよ……」
「……とほほのほお~……」
して、トリオは漸くダウドの元に救助に向かうが、こんな広い大草原、
人なんか探し回るのはイヤだとブチ切れ、オイラは絶対お断り致すと
大騒ぎに……。
「もうアイシャの我儘になんか付き合ってられませんっ!
……命大事にだよおっ!!」
「な、何よっ、その言い方っ!ダウドったらっ!!」
「ありゃま、こりゃまた、珍しい喧嘩の組み合わせだ、初じゃね?」
「ジャミルっ!……ふ、二人とも落ち着こう、落ち着いて……」
(フム、レア観察記録つけとこうかな……)
アルベルトは慌てるが、アイシャとダウド、一触即発状態に……。
次から次へと本当に忙しい連中である……。
「よ、よしっ、今日は俺がレフリーをやってやるぞ!」
「……ジャミルっ!君もふざけるんじゃないっ!……叩くよっ!?」
「……叩いてから言うなあーーっ!!」
こんな大草原の真ん中で……、また大騒ぎになりそうだった。だが、今回
それを止めたのはモンであった。
「やめてモンーっ!……アイシャもダウドも喧嘩してる場合じゃ
ないモンーーっ!!みんな仲良くしてモンーー!!……シャアーーっ!!」
「あだだだだっ!モンーっ!頭噛み付かないでえーーっ!!」
「シャアーーっ!!」
「……おーいっ!何で俺の方に噛み付くんだーっ!コラーーっ!!」
……アイシャには噛み付けないからであろう。代わりに皺寄せが
ジャミルの方に飛んで来た。モンはカオス顔で泣きながらダウドと
ジャミル、交互に両者の頭に噛み付く。……そろそろお腹も空く頃
なのではないかと、アルベルト……。
「モンちゃん、やめてっ!……ごめんなさい、ダウド、アル、
ジャミル……、サンディ……、私、どうかしてたね、本当に
ごめんなさい……」
「……シャア?」
「アイシャ……」
アイシャは暴走モンを見て急に我に返ったのか、頭を下げ素直になり、
皆に謝りだした。見ていたメンバーはびっくり、唖然とするが……。
「早く残りの果実を探さなきゃならないのに……、私、私……、
私の所為で……、ダウドを危険な目に遭わせちゃった……、
謝るしか出来ないんだけど、本当にごめんね、大先生に
もうベリーダンスを伝授して貰うのは諦めるわ……」
(たくっ、当たり前だってのッ!大体アンタ、まだ発展途上国……)
「コホン、……サンディっ!え、えーと、でも、アイシャ……、本当に
それでいいのかい?」
「うん、いいの、もう……、ダウド、本当にごめんね……」
「アイシャ……、い、いいよ、オイラもう怒ってないよお、オイラも
怒りすぎたね、ごめんね……」
「ダウドっ、ありがとう~っ、はい、これっ、ホイミの代わりよ!」
アイシャはモンに噛み付かれたダウドの頭にバッテン印の絆創膏を
ペタリと張る。ダウドは照れているのか嬉しそうだった。
「え、えへへ~、何か嬉しいなあ~、オイラもありがとう~!」
「なあ、アイシャあ~、俺はあ~?俺の方にも~!」
「あっ、ごめんね……、これ一枚しかなくて……、でも、ジャミルにも迷惑
掛けちゃったから、代わりにこれ、あげるね!」
アイシャはジャミルの口に甘い苺のドロップキャンディーをほおり込む。
ま、まあ、これはこれで、良しと致すと、ジャミルはキャンディーを
口の中でもごもごさせながら顔を赤くした……。
(フンっ!まるで子供ミテーだネっ、ジャミ公って!)
「ま、まあ、そう言わないで……、とにかく今回アイシャが冷静に
なって落ち着いてくれたのは、モン、君のお陰だね、有り難う!」
「モン~!アルベルト~、ご褒美にいつもよりも苺のペロペロキャンディー、
いっぱいいっぱい食べたいんだモン!」
「……まあ、考えておくよ……」
「モン~!アルベルト、大好きモン~!もちろんみんなも大好きモン!」
「ふふ、はいはい……」
こうして、アイシャは大先生にベリーダンスを伝授して貰うのを諦め、
一行は再び大草原を歩き出した。……それを見ていた者が1匹……。
「……私のベリーダンス取得は諦めたか……、残念だが、ま、それも
良かろうて……、久しぶりに見所のある者達かと思うたが、ひょひょ!」
それから暫く後、4人は草原に佇むパオを見つける。間違いなく
聞いた通り、草原の民が暮らすカルバド集落である。やはりアイシャは
故郷を思い出すのか、暫くの間、目をキラキラさせ、うっとりしていた。
「懐かしいわ~、この感じ……、羊さんも馬さんも、ウシさんも~!あはっ!」
「んめええ~!」
「キャー!ヤギさん鳴いた、鳴いたわっ!」
「鳴くんに当たり前だろが……、泣く方だったら困るだろ……」
「いいの!ジャミルはっ!」
「ねえちゃん、大丈夫だか?ヤギ、見た事ないんべか?」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編22 我侭女王と恋したトカゲ・3 作家名:流れ者



