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zoku勇者 ドラクエⅨ編22 我侭女王と恋したトカゲ・3

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動物達の世話をしていた子供が不思議そうにアイシャを見上げる……。

「そんな事ないわ、私ね、動物さん大好きなの!ねえねえ、ちょっと
触ってもいい?」

「うん、別にええよ……、ねえちゃんもまた、珍しい家畜飼ってる
だべな、それ、空飛ぶブタだんべか?」

「シャアーーっ!……ブヒーーっ!!」

「……おいおい……」

アイシャは動物達と遊び始め、触れ合い体験動物園が始まってしまう。
こうなると当分収まらないので暫く様子を見るしかなかった。
アルベルトの案で、アイシャには暫く此処で遊んで貰っていて、
僕らだけで集落を見て回ろうかと言う話。

「え?ええ!私も一緒に行くわよ、置いて行かないで、じゃあ、
私はこれで……、遊ばせて貰って有り難う!またね~!」

「ばいばい、だべ……」

アイシャは動物達に手を振り、子供に挨拶するとジャミル達の
後を追う。この風景だけ見ていると、本当にのどかな感じなのだが。

「のんびりしていて本当にいい処だねえ、この調子だと久々にゆっくり
出来そうかな~……」

「……だと、いいな……」

「あ、ジャミル、何でそんな嫌らしい目でオイラを見てんのっ!
……何だよおおーーっ!!」

(それは無理っつちゅーモンっしょ、ヘタレ、だってアタシら、騒動を
探しに旅してる様なモンじゃん!)

「……騒動を探しに旅してる、モン……、違うモン、シャア~……」

サンディ、それはそうなんだけどさ……、と、思うアルベルト。だが、
それを言うてはアカンのである。

「そうだべな、初めての人には此処はのほほん、……そう思われるだべな……」

「う、うっ!?」

硬直するヘタレ。突然出て来たおっさん。……現在のこの集落の状況を
語り出しそうだった。

「やっぱりそうなるか……、なあ、話、聞かせてくれる?おっさん……」

「……いーやあああーーっ!!」

声を荒げるダウドの頭を抑え付けながらジャミルがおっさんに尋ねる。
やはり平穏を望むのは100パー無理な様だった。

「最近……、奇妙な魔物がちょくちょく集落に侵入して来るだよ、でも、
これがまた、不思議でな、動物やわしら、民は襲わんのだ、
……どう言う訳か、魔物は族長ばかり狙って襲いに来るだよ……、
確かサルの様なデケえ魔物だ、今日辺り、また来るんじゃ
ねえべかなあ~……」

「……その族長、何か恨み買ってんじゃね……?」

「……ジャミルっ!え、え~と、やっぱり大変な事になって
いるんですね……」

「放せえーーっ!このドSM腹黒ーーっ!!」

今度はジャミル、アルベルトに頭を抑え付けられる。横で見ていた
ダウドは含み笑い。このジャミ公にして、この親友。違う様で似た者
同士。やはりどっちもだった。

「まあな、でも、族長には、えれー魔力を持つ、シャルマナ様が
付いてるからな、心配はねえだよ……、魔物が来ても直ぐに
追っ払ってくれるんだあ」

「えれー魔力……?」

4人は顔を見合わせる。シャルマナと言う人物は魔法使いなのか
知らんが、えれー魔力と聞くと何だか余り良く無い感じが
したからである。

「んでな、オラ、見ただよ、空からキラキラしたカケラが
降って来ただ、それから間もなくだったなあ、シャルマナ様が
此処に現れたんも、変な魔物が此処に来る様になったんも……」

おっさんは行ってしまった。だが、それだけ聞ければ充分だった。
空からキラキラしたカケラ、その言葉、それだけでもやはり此処を
訪れた価値があるのだから……。

「きっと女神の果実よっ、さあ、早速族長さんの所に行ってみましょっ!」

「アイシャ、ちょっと待ってよ、いきなり見知らぬ僕らが行っても
警戒されるよ、只でさえ、今、魔物が現れてピリピリしている様な
感じだからね……、う~ん……」

「うへへ、だったら……、先に族長の息子さんの若君とコンタクタを
取ったら如何だべ?」

もう一人、なまりっぺのおっさんが現れる。此方のおっさんはにこっと
笑って、笑顔が印象的なおっさんだったが、歯が欠けており、ウシだか
馬の糞臭かった……。

「コンタクトだろ、う~ん、じゃあ、先にそっちの方、回ってみるか、
族長と話を繋げる様にしてくれるかもな……」

「コンタクト、そうともゆ~、んだんだ、んでもな、族長のご子息の
若君は、ちょっと気が抜けてて優しすぎる面もあるだでなあ~、
もう少し腰が強ければナア~……、何せ、ゴキブリがパオに
出たぐれーでわあわあ大騒ぎするだでのう~……」

「そ、それって、あの……」

「つまり、……ヘタレって事だよ……、プッ……」

ジャミルはダウドを横目で見る。その目つきは又嫌らしい
目つきであった。

「まーた、君はっ!と、とにかくっ、まずは族長さんの息子さんの所に
挨拶に行ってみよう、……ダウドもいいね?」

「いいけど、アルも何でオイラの方見るんだよお~、ぶつぶつ……」

そういう訳で、話は決まる。4人はおっさんから族長の息子が住んでいる
パオの場所を教えて貰い、そっちの方へと足を向けた。だが、最初は
文句を言っていたダウドだが、内心はひっそりと、喜んでいたのである……。

(ヘタレ仲間、ヘタレの友達……、オイラ、その子と仲良くなれるかも……、
もしかしたら、友情が育まれて、何れは、ヘタレ友の会が結成出来るかも、
んふふ~!)

多分、お断りであろう……。

(うわ、何かヘタレ、ニヤニヤ笑ってるし、スゲーキモイんですケドっ!?)

「いいんだよっ、サンディはっ!ガルルー!」

「はは、お、此処だな、このパオだ……」

「パオーン、ゾウさんのお家モンっ!」

「も~、違うわよう、モンちゃんたら……」

何はともあれ……、4人は族長の息子がいると言うパオの入り口
前まで到着するが、何だか気の抜けた様な会話が中から聞こえて
来たのである……。

「ナムジン様、はよう行かねえと、又族長にどやされるだよ……」

「待ってくれ、まだ支度が終わっていないんだ、もう少し……」

「ん……?」

中にいたおっさんが4人組の気配に気づく。恐らく、若君の護衛、
世話係なのだろうが、おっさんはパオ前に突っ立っていた4人に
怪訝そうな顔をした……。

「あんだべ、お前達は……」

「へへ、こんちは、俺ら別に怪しいモンじゃねえよ、……彼方此方
旅してて、今日、此処の草原に辿り着いたんだ……」

「そう言われてもなあ~……、ナムジン様……」

「大丈夫だよ、話を聞こう……」

おっさんはぼりぼり頭を掻いて後ろを振り返る。其処に先程の
声の主、頭部に独特の冠を付けており、前髪パッツン、三つ編み
ヘアの青年が姿を現す。

「わ、この人が……、ヘタレ……、何だか……、すてき~……」

「……ダウドっ!あ、あの、初めまして、此方の……、ジャミルが
言っております様に、僕達は決して怪しい者ではございません、
宛のない旅人です、ただ、この集落で、何か起きている様ですので、
僕達は多少は腕が立ちますので、何かお力になれればと……」

アルベルトは恭しく、族長の息子に頭を下げる。腕の立つ戦士達と
身請け、ナムジンと言う青年は安心したのか、4人に対して綻びを見せた。