zoku勇者 ドラクエⅨ編23 ヘタレとヘタレ若様・1
「ああ、ブン殴って吐き出させてやるってのっ!」
「よーしっ、アバキ草を探すわよっ!」
「モンモン!」
……いや、あのですね、お宅らは余り張り切らなくていいですから……、
と、ジャミルはアイシャとモンの暴走コンビを横目で見たが、何で
人の方見るのよう!と、アイシャに怒られる。そして、漸く村の中に
突入出来るかと思いきや、当然の如くモンスターも襲い掛ってくるの
だった。死してもなお、この村を守ろうとしている兵士の亡霊なのか、
骸と化したモンスターの死神集団兵だった。
「……可哀想だけれど、僕らの手で静かにもう眠らせてあげよう……!」
「ぎゃー!もーいやああーーっ!!」
「ダウドったらっ!またっ、……ナムジンさんを助けたくないのっ!?
お友だちになるんでしょっ!!」
「……は、ああっ!そうだったっ!オイラナムジンさんを助けるんだっ!!」
アイシャに怒られ、ダウドは砂塵の槍を構え直し、表情も
キリっとさせた。目の前に現れたモンスターと達と力強く
対峙するのだった。だが。
「時間がねえ、できる限り短期で決着だっ!アイシャ、頼むっ!」
「え?ええ、分かったわ、……イオラーーっ!!」
「キリッ!あれ?も、もう終わったの……?」
時間も押していると言う事で、アイシャのイオラで死神兵達を
一掃させたのである。戦おうと折角決意した手前、あっさりカタが
ついてしまったが、やはり戦うのが苦手なダウドはこれはこれで
いいかと思いつつ、キリッとしていた顔をいつものヘタレ顔に
戻した。
「まだ他にもモンスターはいるだろうな、気を付け……」
「あ、あれあれっ、なーんか変なのあるーっ!!」
「モンーっ!!」
「ろ……って言ってる側からああーーっ!!」
何かを見つけたらしく、ジャミルの中からサンディが飛び出し
飛んで行き、モンも行ってしまう。……ジャミルは切れ、サンディと
モンに大声で怒鳴るが聞いてない。
「……」
「何よ、アル、どうして私の方見てるの……?」
「い、いや、今日は何か大人しいなと……、そんな場合じゃないっ、
ジャミル、ダウド、僕らも行こう!」
アルベルトに言われ、ジャミルもブツクサ文句を垂れつつ、お騒がせ者達が
飛んで行った方向へと走って行った。……この時ジャミルは、アイシャが
つくづく空を飛べなくて良かったと……。
「……だからジャミルもっ!何なのようーーっ!!」
「な~んだっ、ただの石碑かあ~、つまんネ~、んじゃアタシ、危険な
目に遭うと困るからサ……」
サンディは一体何だと思ったのか、見つけたのは石碑。つまらなそうに
再び消えようとしたが。
「お待ち、決りだ、やる事はちゃんと致す、デコを出せ、モンもな……」
「え……?」
「モン……?」
バカとアホへのプレゼントデコピン×一発ずつ
「いったああ~いっ!ちょっとッ!何でアタシまでデコピンされなきゃ
なんねーのヨっ!あったまキタしっ!ジャミ公のアホーーッ!!」
「うるさいっ!団体行動を乱す不届き者!成敗致す!」
「あのさ、ジャミル、君に言われたくないと思うな……」
「何だ、アル……」
「何でも……」
さて、サンディは又引っ込み、デコを突かれたモンはふて腐れ、
又ダウドの頭に飛び乗ると頭をキャンディーの棒でポコポコ
叩くのだった。
「ねえ、ジャミル、この石碑……、何か文字が刻んであるわ……」
「ん?どらどら、ホントだ、何だ……?」
「僕が確認するから……、えーと……」
アルベルトはジャミルの隣に割り込み石碑に刻まれている
文字を見る。石碑にはこう書かれている。カズチャは聖なる
草を守る村、アバキ草を守る村。
「カズチャンはやっぱりエライ人なんだモン、モンモン……」
「モンちゃん、だから違うわよ……」
「アル、あっちにももう一つ、石碑があるよお……」
「どれどれ?」
……アバキ草は水が綺麗な場所、カズチャ村の地下に生える草……。
「成程、アバキ草は地下に生えているんだね……」
「じゃあ地下への入り口を探しゃいいって事か、よし!……」
そう思った途端、又後ろに気配を感じ、振り返ると……、祈祷師、
グール……の、モンスター集団に取り囲まれていたのだった……。
「……うぎゃああーーーっ!!」
「慌てるんじゃねえっ!……ちっ、この野郎……」
ジャミルは吠えだしたダウドを一喝。急いでんのに……と、心で
舌打ちした。
「ダウドっ!しっかりしなさいったらっ!ほら、ナムジンさんの為に
頑張るのっ!」
「はっ!そうだったっ!ナムジンさーんっ!今行くよおーーっ!
待っててねーーっ!」
「はは、でも、ダウドがやる気になってくれてるんだから、いい事だよね……、
ジャミル……」
「あう……」
アイシャに活を入れられ又表情を変えるダウドにジャミ公は一体
何やねんと思う。ヘタレたり、ナムジンの為に本気モードになって
みたりと、今回はコロコロ変わるヘタレなのであった……。
「……オマエタチ、ソコカラウゴクナ、オトナシクセヨ、デ、
ナイト……、イオラヲマトメテゼンインニブツケテヤルゾ……」
「はうっ!?あわわわーーっ!!」
「ダウドっ、静かにっ!落ち着くんだっ!ナムジンさんの為に
頑張るって決めたんだろ!?君の気持ちを絶対に曲げないで!!」
「……そうだぞっ、落ち着けってのっ!!このバカダウドっ!!」
「何だよお!バカジャミルーーっ!!で、でも……、ナムジンさんの
為ならオイラ……、にへえ~……、で、でもやっぱり怖いよおおーーっ!!
……んへえ~、ナムジンさあ~ん……」
ナムジンの為に頑張りたい気持ちは確かにあるのだが、やはりヘタレの
症はどうする事も出来ず、今日のヘタレは顔がキリッとなったり、崩れたり
本当に落ち着かなかった……。
「ソコノコゾウ、ズイブンオジケヅイテイルヨウダナ……」
祈祷師の1匹が杖を構え、矛先を4人に向ける。アイシャがイオラを
使える様になれば、当然、敵の方も使える輩が出て来てもおかしくは
ない頃。アイシャも負けずに言い返す。
「あなた達なんかの意地悪な魔法になんか絶対に負けないんだからっ!」
「……クソナマイキナ……、マズハオマエタチカラダ、ミセテヤレ……」
「ウガァ~~っ!!」
祈祷師の大将が後ろに控えていたグール軍団に命令すると、奴らは
奇声を上げ、前列に躍り出る。だが、空中にいたモンが上からグール
軍団に向かってオナラ弾を発射!……グール軍団は揃って後ろに
全員ぶっ倒れた。
「……ウガァァァ……」
「やったモンっ!」
「……お、おえええ~……」
だが当然の如く、味方にもダメージは行く、プチジハード攻撃である。
4人はそれでも何とかモンのオナラの臭いに耐えている……。
「……フザケルナ、クソドモ!モウヨウシャセヌ!!」
そして、祈祷師も等々怒りのイオラを4人に向け詠唱、放出。
ジャミルも皆も揃って大ダメージを食らう。倒れた4人を見て、
仮面の下は恐らくほくそ笑んでいるであろう、祈祷師軍団。
「ム、ヤツラマダ、イキテイルゾ……」
「ソウトウシブトイトイウコトナノカ……」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編23 ヘタレとヘタレ若様・1 作家名:流れ者



