zoku勇者 ドラクエⅨ編23 ヘタレとヘタレ若様・1
「アバキ草の事は母上から聞いた事がありまして、幼い頃、
実際に見せて貰った事もあります、でも……、あなたは本当に
母上の幽霊と会って話をしたと……?とてもそんな事は……、
信じられません……」
「そうですね、信じて貰えないのも無理は無いかと……、でも、
ジャミルがあなたのお母様と話が出来たからこそ、僕達は
こうしてアバキ草の事も知る事が出来、手に入れてあなたに
無事届ける事が出来たのです……」
「アルベルトさん……」
しかし、ナムジンはまだ戸惑いが隠せない様だった。だが、
そんなナムジンを安心させるかの様、すり寄るポギーの姿があった。
「グギギ!グギギ!」
「ポギー……、そうだね……、ジャミルさん達だって信じてくれた……、
ジャミルさん、アルベルトさん、ダウドさん、アイシャさん、有り難う、
ボクも皆さんを信じます!カルバドの民の目を覚ます為、そして、草原の
平和を取り戻す為、戦いの時です、どうかそのアバキ草を、ボクに渡して下さい、
力を貸して下さい!」
「ナムジン、お前……」
ナムジンはジャミルに向かってこくりと頷く。その顔には又新たな
決意の証が刻まれていた。……必ずシャルマナを倒し、民を救い、
カルバドに平和を取り戻すのだと。
「う、うっわああ~っ、ナムジンさんが……、オイラの事、ダウドさんて
呼んでくれたっ!うへ、にへええ~……、えへへへ~……」
「ノロケてるダウドに一発成敗いたすモン!……プー!!」
(……ヘタレ、やっぱりキモイんですケドっ!?)
サンディにキモがられ、モンには頭からおならされるダウドでは
あるが、やっとナムジンにちゃんと名前を呼んで貰えた嬉しさからか、
全く気にしていない。
「よし、これあんたに託すぞ、……頼んだぜ!」
「……はい!」
ジャミルはアバキ草をナムジンに手渡す。ナムジンもジャミルの
手から受け取った大切なアバキ草を力強く握り締めた。
「これをすり潰した汁をシャルマナに掛ければ奴は必ず化けの皮を剥がし、
正体を現す筈です!」
「いよいよシャルマナと対決ね!頑張りましょうね、ナムジンさん、皆もね!」
「はい、アイシャさん!」
「よしっ!けど、ナムジン、マジでアンタの試練の時だな……」
「そうですね、まずはボクとポギーは先にカルバドへ戻ります、
皆さんはその後から来て下さい、又ちょっとした芝居をこれから
打ちますので……、お願いします……」
「分かったっ!」
ジャミルもナムジンに力強く頷く。仲間達も。ナムジンを信じ、
シャルマナ討伐の決死の戦いが今幕を開けようとしていた。
ナムジンはまず、外にいる兵士達を先に集落へと帰還させる。
兵士達は急に凜々しい姿を見せ始めたナムジンに歓喜と
喜びの声を上げた。
「よし、兵士達は戻ったな、さあ、ポギー、次はお前の番だ、
カルバドに向かってくれ、ボクも直ぐに行くよ……」
「グギ!グギギ!」
ポギーはパオの外に出て行き、ナムジンはアバキ草をすり潰した
アバキ汁を作り終える。……いよいよ、ナムジンもカルバドへと戻り、
出陣の時が訪れた。
「……では、ボクもそろそろ行きます、皆さん、もう少し時間が
立ったら来て下さい、お願いします……」
「ああ、けど、余り無理すんなよ……?」
「大丈夫です、……ジャミルさん、あなたに全て話せて本当に良かった、
ボク、カルバドの長を継ぐ物として……、父上の名に恥じない様に
精一杯頑張るつもりです……」
「ナムジン……」
「あ、ナムジンさ~ん、あ、あの……」
「ん?ダウドさん、どうかしましたか?」
「!い、いや……、その、えへへ、何でも無いよお、オイラも
ナムジンさんが絶対勝つって、信じてるよお……」
「有り難う、ダウドさん……、皆さん、では……」
ナムジンは微笑むとパオを出て行く。ナムジンの決意、最初に会った時、
ヘタレていたナムジンの偽りの姿はもう完全に消えた。その後ろ姿を
4人は静かに見送るのだったが……。
「何だか彼、本当に変わったね、出会った最初の頃が嘘みたいだ、
いや、変わったんではなく、僕らが事実を知らなかっただけで、
最初からナムジンさんは芯が強かったんだろうけど……」
「ま、どこゾのヘタレのまま、素で全く変わんねーのもいるんだケド……」
「……サンディ、うるさいんだよお~……」
「本当、素敵よね!私達も全力でナムジンさんのお手伝いしなくちゃ、
ね、ジャミル!」
「ん?あ、ああ……」
アイシャにそう返事を返すジャミルだが、シャルマナは女神の
果実の力を得ている。……とてもナムジン一人では完全に
シャルマナを倒せない事も承知していた……。ラボルチュと
話をしたあの時、ナムジンの為、自分達は必要以上に手を
貸さないと言ってみた物の……」
「ああ~っ!でも、少し時間が立ってからって、一体いつ
行けばいいんだよお~っ!ねえ~っ、……ジャミルううう~っ!!」
「分かってるってのっ!ルーラが使えるんだからよ、んな、焦んなっての、
……けど、もう俺らも行った方が良さそうだな……」
「……ちんぽこォ~!ちんぽこォ~!ち~んちん!!」
ヘタレがナムジンを心配し、発狂しだした為、そろそろ自分達も
カルバドに向かおうとジャミルも決意する。……ついでにダウドの
頭の上でモンもカオス顔で発狂しだした。だがこの時、ジャミルは
とても嫌な予感を感じた為、カルバドに一刻も早く戻る事を
決めたのであった。……ナムジンの身に何かが起きそうな……、
悪い予感がしていた……。
「あれは……」
「おお、あんたも来ただか!今、ナムジンさんとあの魔物が
戦ってるだよ!今、決着の戦いを見守ってるだ!あんたらも
広場に急ぐだよ!!」
ジャミル達もナムジン達がそろそろカルバドへと戻った頃かと
頃合いを見計らい、ルーラでカルバドへと飛んだ。広場近くへ
駆けつけると其処で見た光景は、倒れているポギーの姿、そして
ポギーに刀を突き付けているナムジンの姿。村人達も広場に集まり、
雅に今、村中が大騒ぎ中だった。
「……ひええ~っ!ナムジンさあ~んっ!ま、まさかまさか、
本気でポギーをっ!?」
「バカダウドっ、落ち着けってんだよっ!これから一芝居打つって
言ってただろうがよっ!」
「あ、そ、そうか……、あ、あはは~……、で、でも……」
「行こう、僕らももっと近くへ!ナムジンさんの作戦を見守ろう!」
「でも、大丈夫なのかしら……」
「モン~……、何だかポギーも心配なんだモン……、本当に
お芝居なんだモン?」
「アイシャ、此処はナムジンを信じるしかねえ、アルの言う通りだ、
俺らも行こうや!」
「……そうね、行きましょ!」
(うっひょー!な~んか、スゲー面白くなって来たんですケドっ!!)
不安に駆られる4人だが、とにかく今はナムジンを見守るしかない。
彼の作戦を信じて……。
「はっはっは!でかしたぞナムジンよ!流石オレの息子!よくぞ
魔物を倒したなっ!!気高き遊牧民の息子よ!!」
「……は、はい……、怖くて怖くて……、足が震えました……、
で、でも……、漸くこれで戦いに勝つ事が出来たのですね……、
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編23 ヘタレとヘタレ若様・1 作家名:流れ者



