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zoku勇者 ドラクエⅨ編25 タワシ頭の店主奮戦記・1

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バカの為、本当にエライ剣幕であった。

……翌日。昨夜村長に制裁を食らったニードは、今朝は何とか
カウンターに着いていたものの。鼻糞をほじくりながら、一人、
只管文句と愚痴の嵐であった……。

「大体よう、タイミングが悪すぎんだよ、オレはどうせ客なんか
こねえと思ったからサボってただけじゃねえか、なのにいきなり
来るとか、人をバカにしてるとしか思えねんだよ!……たまに来ると
思えば、おっさん、おばさん、そんなのばっかじゃねえか、あ~あ、
どこぞの可愛い子でも来れば……、オレだってやる気出すんだけどなあ、
ブツブツ……」

……と、まあ、こんな調子で全く反省の色無し。あれから又客足は
途絶え、ニードは仕事する気無く、うつらうつら、カウンターで居眠りを
こいていた……。だから、掃除等やら、やろうと思えばする事は幾らでも
あると思うのだが……。丁度その時……。

「此処がウォルロなんだね、静かでいい処だね、空気が清んでるし、
こういう感じ、僕は好きだな……」

「本当だねえ~、何か暫くゆったり出来そうだねえ~!あ、滝が
あるよお~!」

「ジャミルはこの村でお世話になったのねー!」

「モンもモン!」

「だろ~、俺の大事な故郷でもあるしな~、へへ!」

「……な、何か今……、外で微かに女の子の声がした……、
まさかなあ~、ん?ジャミル?モン……?何処かで聞いた様な……、
不愉快な名前だな……」

「「こんちゃ~す!!」」

「……う、うおっ!?」

ドアを開け、勢いよく賑やかな集団が入って来た。……ニードが良く知る顔。
知っている顔。だったのだが……。

「ま、まさか……」

「へへ、よう、タワシっ!久しぶりだなっ!元気だったか!?」

「モンー!」

「あ、あああ……」

「初めましてー、こんにちはー!私、アイシャです!」

「こんにちは、僕も初めまして、ジャミルの友達のアルベルトです……」

「オイラダウドだよー!」

「……可愛い女の子おおーーっ!!」

「はい……?きゃ!?」

だが、ニードはジャミル達野郎とモンには目も暮れず、真っ直ぐに
アイシャの方へ突進し、がっしりとアイシャの手を握るのだった……。

「あの?……え~と、え~と?」

「可愛いお嬢さん、有り難う……、オレの為に来てくれたんスね?
……これは運命の出会いだあーーっ!す、すぐにとびっきりの
スイートルームを用意しますんで!……ああ~っ!やべ~っ!
……そ、掃除掃除ーーっ!……何やってんだオレはーーっ!!」

……何がスイートルームなのか。客室は昨日と同じ、宿泊客が
ひっくり返った時の状況のまんま、ゴキの巣で何処もエライ事に
なっている。……アイシャは困った様にジャミル達、男性陣の方を
振り返るが……。

「ねえ、ジャミル……、この人がお友達のニードさんで間違い
ないのよね……?」

「!お、お嬢さんっ!そうですっ、お、オレの名前知ってくれてる
なんてっ!こ、この宿屋ってもしかしてもう超有名になってたり
するっ!?……ん?ジャミル?……うええーーっ!?」

「よう、元気だったかい……?」

ニードは漸く我に返り回りを見る。そして漸くジャミル達の
存在に気づいた……。

(やっぱ相変わらずのボンクラだネっ!)

「何だよっ、ジャミ公っ!お前、来てるんなら来てるって言えっ!
あ、どもども!えとえと、アイシャさんスよね?」

「あはは~……、アイシャでいいよ、気軽に呼んで……」

「よしっ、分かったっ!アイシャっ、オレ、ニード言います、
改めて、ドゾ宜しくっ!」

「う、うん、じゃあ、私もニードって呼んでいい?」

「勿論っ!オレもさっ、アイシャチャン♡アイシャっ!!」

この態度である。ニードはジャミ公に久々に会ったと言うに、
もはやアイシャ以外は目に入らなくなっており、他は顔が
へのへのもへじに見えている始末。

「何これ、何かさあ~、感じ悪いよお~……」

「ダウド、黙ってなよ……」

アイシャ以外、殆ど存在感の薄い他の男性陣のダウド、アルベルト。
ダウドは余りいい顔をしない。勿論、アルベルトも黙ってはいたが、
気分が何となく悪かった。

「モンーっ!ニードお!みんなで会いにきたんだモンー!見て見てー、
モンの太鼓叩きー!」

「うわ!?座布団ーーっ!オメーもいたんかーーっ!何だ何だーーっ!!」

モンはニードのリーゼント頭に飛び乗り、キャンディーの棒で
ちんぽこ叩きを始めた。どうにも変ったヘアスタイルだと、モンの
お気に入りで恰好の場所になるらしい?

「……やれやれ、又今日も落ち着かん一日が始まるわい、どっこいしょと、ふうふう~」

宿屋の入り口のドアを開け、リッカの祖父が入って来る。爺さんも
相当疲れ気味だが、最愛の息子が残して行った、かつて孫が守って
くれていた大切な宿屋の為、そんな事を言っていられず、今日も
様子を見に実家から宿屋に訪れたのだった。

「よっ、爺さんっ!久しぶりっ!」

「……おおお~?ジャミル、ジャミルではないか!おおお、
来てくれたのかー!」

「リッカの爺さんだよ、俺も沢山世話になったのさ!」

「おじーちゃん、モンですモン、お久しぶりモン!」

「おお、おお、おお~、確か喋る人形の……、懐かしいのう~……」

ジャミルはリッカの祖父に久しぶりの挨拶。爺さんも喜んでジャミルの
手を取る。あの時は大分ボケが進んだのではないかと心配していたが、
ちゃんとジャミルとモンの事はしっかりと覚えてくれていた。多分、別の
意味で忙しくてボケている暇もないんだろうと。……それだけはニードの
お陰かも知れなかった。いいんだか悪いんだか。そして仲間達もリッカの
祖父に挨拶を始める。

「初めまして、僕はジャミルの友人のアルベルトと申します、どうぞ
宜しくお願いします」

「こんにちはー、オイラダウドですー!」

「私はアイシャです、宜しくー!」

「ほう、ジャミルの旅の仲間か……、おんし、いい友人に恵まれて
おるのう……、リッカといい、幸せであるの……、皆、この爺も一つ
宜しくの……」

リッカの祖父はアルベルト達とも握手を始める。だが、見ていた
ニードは和やかな雰囲気が気に食わず。多分、自分が除け者に
されている様な感覚になったのか。分からない様に後ろでちっと
舌打ちした。

「これっ、ニードっ、お客様じゃぞ!どうしてお前はこう気が
利かんのじゃ!おんしは若いんじゃからもっとキビキビと
動いてだの、お茶の用意ぐらい……」

「んだよ、ジャミ公なんか客に見えねーっての!あ、アイシャは
別だけど~!」

「……なんだとう?この野郎……、人がどれだけ心配してたと……」

「へへっ、あ、大変だっ、オレ、アイシャが気持ち良く部屋に
泊まって貰える様、部屋の掃除してきやーす!」

「あのう~……」

「お嬢ちゃん、いいんじゃよ、奴には少し場を外して貰って……、
ジャミル、お主に少し聞いて貰いたい事があるしの、……来て
貰えて良かったわい……」

「爺さん……」

リッカの祖父は大きな溜息を吐く。して、等の本人、ニードはこれまで
全く動こうとしなかった客室の掃除を始めようとしていた。……アイシャの
為だけに……。