二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅨ編25 タワシ頭の店主奮戦記・1

INDEX|5ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

しようとスケジュールを考え、夜に話しあった。だが、それにはまず店主の
ニードにも立ち直って貰わなくてはならないが……。

……翌朝。ニードはちゃんと宿屋に出勤して来たが、やる気の無い
態度は相変わらずで、カウンターに着いて何もしないまま、鼻糞を
又ほじくっていた。丁度、朝のトイレ掃除が終わり、ロビーに戻って
来たアルベルトはニードの態度を見て遂に……。

「ねえ、来てくれたんなら君もすぐ仕事に移ったらどうかな?
お客様を迎える準備をしなくちゃだよ……、心構えは大事だよ……」

「あんだよ、だからオレだってこうやって客迎える準備してんじゃ
ねえかよ、ま、どうせ来る心配もねえけどさ、大体お前、何サマだよ、
偉そうにしやがってよ、此処はオレがリッカから譲り受けた宿屋
なんだぜ!大体オレの宿屋の方針に従うのはお前ら下っ端の従業員の
方だろが!」

……ぷっ、ちん……、ぷつっ……

「わ~!アルっ、落ち着いてよお~!だ、駄目っ!切れたら……」

「ダウド、分かってる……、口で言ってもどうにもならないからね、
この系統は……、自分で分かるまでね……」

「あんだとお……?テメエ、マジで何サマなんだよ……、昨日から
気に食わねえな……、偉そうな態度しやがって……」

「わ、わ、わわわ……」

真面目で頑固なアルベルトと、お調子者でしかもチャラ男系のニード。
雅に水と油……。大元の自分達がいた世界でも、似た様な感じで、
アルベルトとジャミルの出会いは最悪であった。だが、アルベルトは
ジャミルに何度も助けられ、支えられ……、今の様な仲へと共に
成長して来た。勿論、現在もアホのジャミルとはケンカが時折
絶えないが、それでも一緒に困難を乗り越えて来た間柄である。
しかし、アルベルトと、いつまで立ってもまるで子供、心が完全に
ガキ大将の様なニードとは……。

「もうっ、何してるのっ!あ、ニード、来てくれたのなら残りの客室の
お掃除手伝ってよ!お店開ける時間でしょ、忙しいんだから!
早く早くーっ!」

「おー、アイシャーっ!グッモーニンッ♡」

「……」

其処にアイシャが顔を出すと、ニードの態度は一転。アイシャの姿を
見てハートマークを飛ばすポーズをした。

「はいはいっ~、オレの未来の若奥様~、今行くよーっ!……あいてえーーっ!!」

「シャアーーっ!!」

だが、何処からともなく飛んで来たモンに妨害され、ニードはタワシ頭を
噛み付かれた。……にもめげず、アイシャの後を追って髭ダンスのポーズで
アイシャが掃除している客室へとステップを踏んで向かう。直後、水が汲んで
あった掃除用のバケツにつまづきバケツの水をぶち捲けて全部ひっくり返す。
だが、ニードは床をびちゃびちゃにしたまま片付けもせずスタコラ逃走。

「……何だかもうやってられないよ、スリッパで叩く気にもならない……」

「どうしたのっ、アルっ!しっかりしてよお、昨日、ニードの為にも
明日は鬼になるって言ったじゃん!」

「そうなんだけどさ……、うう……」

「はあ、参った参った、くせ~……、最悪だわ……、お、アル……、
又どうしたんだよ……」

男子トイレの掃除を担当していたジャミルもロビーに顔を出した。
ジャミルが掃除していたトイレの方は汚さが最高潮だった様である。
手で宙をパタパタ仰ぎながら、臭いがこびり付いてしまったので、
ジャミルは困った顔をしていた……。

「ジャミル、お疲れ様……、あのさ、僕……、ちょっと外に出て来ても
いいかな……?す、すぐ戻るから……、我儘言ってしまって……」

ジャミルが見ると、アルベルトの顔には眉間に皺が……。無論、
ジャミルはアルベルトが早朝から皆と一緒に手を抜かず掃除を
頑張ってくれていた事も分かっているので、気分転換してこいやで、
彼を外へと散歩に送り出した。アルベルトが出て行った後、ジャミルは
ダウドから詳しい話を……。

「そうだったのか、……に、しても……、完全にアルが黙って
ブチ切れる寸前までやったんか、どうしようもねえなあ~、
あのタワシはよ……、あの頭で床ゴシゴシ擦ってやりたいわ……」

「……そんな場合じゃないよお~、ねえ、やっぱり宿屋の経営、
諦めた方がいいんじゃないのかな……、オイラ達が手伝っても
返って余計な反発を招きそうなんだよね……」

「……む~……」

ダウドにそう言われ、ジャミルも考え込む……。確かに、此処はオレの
宿屋だと糞威張りするのならそれでいい、……だが、やはり、リッカの
祖父の気持ちも考えるとこのまま、放っておけないのも事実……。

「とにかくだ、やっぱり、はいそうですかで逃げる訳にはいかねえんだ、
爺さんの為にも……、今はとにかく客だ、客を呼ぶ事からだ……、そっから
始めねえと……、バカ店主の教育は後回しだ……、はあ、節介屋は疲れる……、
今日ほど感じた事はねえや……」

「本当だよお、2週間で何とかなるのかなあ~、難しいねえ~……」

「……」

ジャミルとダウドがこんな会話を交わしていた頃……。外に出た
アルベルトは玄関先で小さな女の子に呼び止められていた。

「あのう~……、此処にジャミルさんはいらっしゃいますか……?」

「はい?もしかしてお客様……?ではないよね……、はは、僕は
アルベルトです、ジャミルの仲間であり、友達です、えーと、
ジャミルに用が?」

「……ジャミルさんの……!あの、ジャミルさんが村に戻って来て、
今宿屋にいるってリッカさんのお爺さんから聞いたんです、……わ、
私、ニードお兄ちゃんの妹です……、初めまして……」

「あ、ああ、そうか、成程……、君はニードの……」

ニードの妹……は、顔立ちの良いアルベルトの顔を見て顔を赤くし、
何だかドギマギしている様だった。タワシ頭とは似ても似つかない、
しっかりした感じの少女。だが、直後、少女はアルベルトに向かって
急にガバッと頭を下げるのだった……。

「……ごめんなさいっ!……ウチのお兄ちゃんが!本当にご迷惑を
お掛けしてしまってっ!!」

「え、えええ!?」

ニードの妹はアルベルトに謝罪し、頭を何度も何度も下げる……。
アルベルトはアルベルトで、一体何故彼女が謝らなければ
ならないのか困惑してしまう……。

「私、さっきからずっと外で……、お兄ちゃんの罵声を聞いていたんです、
本当に本当にご免なさい、私、妹として、どうお詫びしたら良いのか
分からなくて……」

「か、顔を上げてくれないか?どうして君が謝るんだい?何も
悪くないよ……、ね?」

「でもっ、でもっ、私、本当に悲しいんです、お兄ちゃん、これまで
村の皆にも宿屋をやっていくの、とても期待されていたんです、頑張れよ
って……、皆が応援してくれた、それなのに……、ジャミルさん達が
宿屋の経営を手伝って下さるって事もお爺さんから……、でも、やっぱり
兄がご迷惑をお掛けしている様なので、申し訳なくて……」

目の前の少女はこんなに小さいのに不届き者の兄貴の不祥事を
代わりに謝罪しに来たのである。……目に涙を浮かべ、必死で
謝る目の前の少女の痛々しい姿にアルベルトはやるせなくなった