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zoku勇者 ドラクエⅨ編26 タワシ頭の店主奮戦記・2

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「自由に……生きてえよ……、あん時はリッカ……、アイツの為、つい
格好付けてあんな事……、言っちまったけどよ、オレにはやっぱり
無理なんだよ……、無理だ、できっこねえよ、オレになんか……」

ニードは再び蹲る。そしてジャミルの方を見た。その顔には微かに
涙の跡が滲んでいた。

「ニード、今は俺らしか此処にはいねえ、だから遠慮せずお前の
本音を全部ぶちまけろよ、泣いたって構わねえよ、さあ……」

「ば、馬鹿野郎……、いい歳こいて……、んな事できっかよ……、
ぐ……、うう、プレッシャーだったんだよ、村の皆はオレに
期待する、いい宿屋にしてくれってさ、親父もさ、宿に資金
送ってまでさ、でも、オレはどうしていいか分かんねえ……、
混乱してばっかりさ、んで後悔すんのさ、毎日よ、あん時、
格好付けてあんな事、言わなきゃ良かったってさ、バカだろ、
オレ……」

「いいよ、続けろよ、聞いててやるから……」

ジャミルはそのままニードの隣に座る。これはニード本人の問題、
ニード自身が乗り越えなければならない事。気分が落ち着くまで、
とことん話を聞いて、全部話させてすっきりさせてやろうと思った。
仲間達も一緒に静かに見守る。モンはニードの頭の上に飛び乗る。
……でも、今日は太鼓は叩かないらしい。

「何かさ、お前が村に来て最初の頃、何も考えないで、お前と
此処に来た時の事、思い出してよ、懐かしくなっちまってさ、
それで、つい……、あの頃はオレもまだバカのまんまでも
良かったんだな……、何で人間てさ、大人になんなきゃ
いけねえのかな……」

「……」

「そういや、お前らセントシュタインの宿屋には行ったんだろ?
リッカの奴、どうだった?ずっと気にはなってたんだよ、でも、
オレなんかが心配する様な玉じゃねえのは分かってるけどさ……」

「実はさ……」

ジャミルはこの間、久しぶりにセントシュタインに趣き、リッカの
宿屋を訪れた時の事をニードに話した。

「そうか……、アイツはオレと違うし、宿屋も商売繁盛、毎日客も
凄いんだろうな、オレなんかやっぱり敵わねえよ、……凄いな……、
従業員からも慕われて、……何も心配する事もねえんだろうなあ~……、
天下無敵のリッカさんが羨ましいぜ……」

ジャミルはそう呟くニードの態度にカチンと来る。……そしてブチ切れる……。

「あ~あ、やっぱりお前はバカだよ……、いつまで立ってもタワシ頭め……」

「な、何だとっ!?……こ、この、アホジャミ公めっ!!」

「わわわ!ま、またっ!」

「……ダウド、大丈夫だよ、今はこのまま黙って見守ろう……」

何やら又喧嘩が始まりそうで、ダウドはオロオロするが、アルベルトが諭す。
ジャミルが何を伝えたいかはちゃんと分かっているから。アイシャも静かに
見守りながら微笑んでいる。

「人間誰だって悩みのねえ奴なんかいねえってのっ!いたらお目に
掛かってみたいわ!」

「ジャミ公……」

「そうだよねえ~、この人だって一応、悩みはあるんだよお、一応……」

〔げんこつ〕

「……何が一応だっ!とにかくだな……」

ジャミルはリッカが悩んで、戸惑っていた事を話す。例え仕事が
出来ても、経営が心配なくても、彼女は彼女なりに苦労しているの
だと。それでも、今、リッカは毎日頑張っている。昨日の自分よりも、
もっともっと輝こうと。大切な未来を作り、明日を切り開く為に。

「……知らなかった、オレ、何も知らなかった……、アイツは頭がいいし、
失敗もしねえだろうし、本当に毎日何の心配もいらねえで元気で
いると思ってた、オレ、オレ……、本当にまだまだ思考がガキ
だったんだなあ~、情けね……」

ジャミルは立ち上がるともう一度、ニードの方を見る。そして
再び口を開いた。

「さ、大体分かったろ?働くって事はハンパじゃねえよ、どんな
仕事だってさ、生きるって事もさ……、俺の話は此処までだ、後は
お前の気持ち次第さ……」

「オレの……?」

「そ、宿屋をこのまま続けるか、それとも……、さっきも言った様に
お前の気持ち次第だよ……」

「……」

ニードは暫く俯いていた。だが、やがて意を決した様に1人で
頷くのだった。

「オレ、村に戻るよ、……クソ親父と喧嘩して来る……」

「気持ち、固まったのね?」

「ああ……、ちゃんと糞親父に伝えるよ、オレの本音をよ……」

「……ニードおおお~……」

「お前らに扱かれた事、ぜってー忘れたくねえ!だから、オレは
オレの新しい方針でやる!とことんやってみてえんだ、オレの
経営する宿をさ!」

「うん、僕らも応援するよ!」

「モンモンーっ!」

「へ、へへへ……、ありがとよ……」

ニードは鼻を擦りながらジャミルの方を見る。その顔は少し
照れている様だった。

「よしっ、ウォルロに戻るぞっ!」

……そして、4人組とニードはウォルロへとルーラで戻る……。
無事に戻って来た兄の姿を見て、妹はボロボロ涙を零した。だが、
既に眠りの冷めていた村長は4人組に冷たい視線を向けると、
次にニードを睨んだ。親子は西部劇の様に黙ったまま、睨み合いを
続ける。だが、ニードの方が先に沈黙を破る。

「あああ~、ラリホー、やっぱり切れてたああ~、オイラもまだまだ
修行が足らないなあ~、とほほのほ~……」

「久しぶりだな、親父……、心配してるって言うから気が変って
戻って来てやったさ……」

「あれだけ言ったのに、まだジャミル達と連んでいるのか、
いい加減にしろ!それにどれだけ村の連中に心配を掛けたと
思っている!反省しろ!!」

(な~んか、やっぱやばそうなフンイキ~、もうみてらんねーってのっ!)

遂に親子喧嘩再発。だが、ジャミルはニヤニヤしながら様子を
見ている。そして、心でこっそりとニードに声援を送るのだった。

(タワシ、頑張れよ、もうこの際、徹底的に喧嘩してこい、んで、
さっき俺らに本音を言ってくれた通り、ちゃんとこのクソ親父にも
伝えるんだぜ、お前の本当の気持ちをさ……)

「シャシャシャのシャー!シャーーっ!!」

「……モンちゃん、威嚇しちゃ駄目っ!……そうよ、ニード、
あなた自身の口からちゃんとお父さんに気持ちを伝えるの、頑張って……」

「……ニード……、僕らも付いてる……」

「オレ、急に黙っていなくなったりして、村の皆に迷惑掛けた事、
本当に済まねえと思ってる、お前にもさ……」

「お兄ちゃん……」

「んでさ、やっぱ宿屋続ける、オレのやり方で……、親父、もうアンタからの
援助資金はこれ以上要らねえよ……」

「……!?」

「だから……、オレ、もう少しこいつらと一緒に宿屋修行してえ、
もっと色々教わりたいんだよっ!……オレの、オレだけの本当の
やってみたい理想の宿屋を作り上げる為にも!」

「……ニード、貴様……、親に逆らうのか?親がいなければ何も
出来んクズ息子が……!お前の様なクズは儂がついていなければ
何をしですか分からん!今回の様に!大人しく親に守られていれば
いいんだ!生意気を言うな!!」

やはり村長は凄い剣幕でニードに掴み掛かろうとする。だが、
ニードはもう、父親に殴られても自分の本心を変える気は無かった。