zoku勇者 ドラクエⅨ編28 スクールカルテット・2
「僕ら今回、武器は持って来たけど、恰好は制服のままなんだから……、
本当に慎重に行動しなくちゃ駄目じゃないか!」
「へいへい、重ね重ねすみやせんねーっ!……あっ!」
「……ぎゃー助けてええーーっ!怖いよおおーーっ!!」
「モンモンーーっ!!」
何時の間にか、ダウドがアサシンドール2体に追い掛けられていた……。
ダウドの頭の上にはモンが乗っかったままであるが、モンは楽しそう
だった。しかも、逃げ回った挙句、毒の沼地の中をモロに走り回り……。
「……じ、び、れ、る……、ど、く……」
HPが半分になってしまい、動けなくなってしまうのだった……。
「……あーもうっ!何やってんだよっ!」
すかさず、ジャミル飛び出す。アサシンドール達に後ろから
蹴りを入れ、転倒させる。その間に自身も毒の沼地に突っ込み、
ダウド救出。
「あう~、ジャミルう~、ごめんよお~……」
「いいから暫く休んでろよ、早く自分の魔法で治療しろよっ!」
「面目ないよお~……」
暫くはダウドを自身の治療に専念させ、3人だけで敵と向き合う
事になる。だが、又もちょっとした隙に非常事態が……。先程倒した
筈のデスプリーストが、もう1匹が唱えたザオラルが成功してしまい、
復活し、2体に戻ってしまっていたのだった。
「ま、またややこしい事になってんなあ~……」
「先にデスプリーストを一気に倒した方がいいね……」
「でも……、あ、ああっ!?……きゃっ!!」
「……やべえっ!!」
相談している暇はあらず……。アサシンドールがドルクマを唱え、
魔法は暴走、ジャミル達3人は瞬く間に大ダメージを負い、あっと
いう間に窮地に追い込まれる。
(……ちょっとっ!アンタら何やってんのっ!しっかりしろーっ!)
何もせず、ほぼ吠えているだけのガングロ、非常にうるさい……。
其処にダウドの頭の上で遊んでいたモンが飛び出し、アサシン
ドールを威嚇し始めるのだった。
「……シャアーーっ!あっち行けモンーーっ!!」
「ジャミル、このままだとモンも危ない、何とかしないと……」
「分かってる、けど、俺らも傷を治療しねえと、……畜生……」
「みんなー、ごめんよおおー!はい、ゴスペルソングだよおー!」
丁度タイミング良く、自身のダメージの治療が終わり、ダウドも
テンションゲージが上がり、音痴ソン……ゴスペルソング発動。
ジャミル達の傷を癒やす。
「よし、……サンキュー!ま、デコピンは1回にしといてやるよ……」
「……がああーーんっ!?」
やはり、先程逃走しようとした分の仕置きはしっかり行なう
らしい。何はともあれ、ジャミル達は反撃タイムに移る。
……やはりMPをちまちま節約していてはもはやバトルも
困難な状況になって来ている。
「こうなったらもう一気に決めるわよっ!……ええーいっ!!」
アイシャのイオラでまずはデスプリーストをどうにか一掃。
……残りはアサシンドールのみとなる……。
「また、暴走されねえ様に……、っと!おりゃあーーっ!!」
2度目のドルクマを許さず、ジャミルの会心の一撃発動。
漸くアサシンドール一体だけとなり、此方の勝利が見えて来る。
そして、運良くアイシャの毒針攻撃が決まり、残りの一体にも
無事止めを刺す事になった。
「♪やったーっ!」
「アイシャ、ナイスだぜっ!」
「えへへ~!」
「スゴイんだモンモン!」
「アイシャ、お疲れ様!」
(ホントっ、マジ、やるじゃんっ!)
「あ、あのう~、オイラは……?オイラも……、ゴスペルソング……、
発動させたんだけど……」
アイシャが絶賛されている中、ヘタレがいじいじ、いじけ始める……。
「たく、逃げなきゃもっと良かったのによ、……ま、オメーも
頑張ってくれたよ、ありがとな……」
「え、えへへ~……」
と、何とかジャミルにフォローされ、ダウドの顔も綻び始める。
……が。其処に再び、今度はデスプリースト+トーテムキラー
軍団出現。……ヘタレきゃーきゃー再び逃走。……ゴールが益々
遠く感じて来た他のメンバーなのであった……。そして、地下校舎
最深部にある、謎の教室で……。
「……もうやだ、帰りたいよ……」
「お腹……空いたよう……」
「……」
「おい、其処のお前、新人のお前だ、教師に向かって何だその目はっ!!」
教室には3人の生徒がおり、椅子に座らせたまま、傍らに立つ恐ろしい
男の洗礼を受けていた。先に誘拐された生徒達、そして、連れて来られた
ばかりの新人の生徒、モザイオの姿であった……。
「身に沁みるが良い!私に逆らう物はこうなるのだ!厳しさこそ
教育!貴様らの様な弛んだクズはたっぷりと仕置きしてやるそっ!!」
男はモザイオに向かってビシビシ、容赦せず鞭を振り上げる。
……この男こそ、亡くなった筈の初代エルシオン学院の院長、
エルシオン卿であった……。
「どうだ?私の教育の有り難みが分かったか?」
「……分かんねーよ……、俺、バカだしさ……」
「そうか、ならば分かるまでこうしてやるっ!……どうだどうだあーーっ!!」
エルシオン卿は尚も自分に刃向かうモザイオへ教育的指導を続ける。
他の生徒達は泣きながら目を瞑る。……痛みと激痛の中で、モザイオは
自分が親のコネで無理矢理この学院へと入学させられた課程を思い出す。
親の名誉の為、……不良息子を更生させる為に。
「……冗談じゃねえよ、何がダチだよ……、ふざけんなよ、俺には
そんなモン、誰一人……」
「……クソ爺ーーっ!やめろおーーっ!!」
「……むっ?」
其処に傾れ込んで来た、ジャミル軍団……。疲れ切っていた生徒達は
驚き、目を見張る。モザイオも……。しかし、彼らの容姿も、もう着用
している制服がボロボロで、凄まじい姿になっていた。
「何で、お前ら……」
「うるせーなっ!何でも何もねえ、此処に来た目的は一つ!皆を
助けに来たんだよ!それしかねえだろっ、おい、大人しく待ってろよ、
直ぐに助けてやるからっ!」
「……ジャミ……ル……」
遂にモザイオが声を漏らす。その時、彼は初めて他者に救いを求めた。
ジャミルの横に並ぶ仲間達。ボロボロになりながらも、自分達を助けに
来てくれたその姿を見て絶望で溢れていた生徒達も希望を見いだす。
「……助けて、俺達、もうずっと此処に閉じ込められて……、
座らされて、も、もう、ずっと水しか飲ませて貰っていないんだ……」
「……授業中、ちょっと居眠りをしただけでいきなり此処に連れて
来られたの……」
モザイオを含む誘拐された生徒達の3人の内、1人は女の子である。
彼、彼女らは突如現れた救いの神に、涙目になっていた。
「おい、其処のお前!我が学院に遅刻して来るとは見上げた根性だな!
儂はこの偉大なるエルシオン学院院長、エルシオン卿なるぞ!クズ共!
早く席に着かんかっ!!この無能のウジ虫共めっ!!」
「……ジャミル、あの人が間違いなく、エルシオン卿なんだね……」
アルベルトの言葉にジャミルは、ああ……、と、返事を返す。突如
寮の部屋に現れ、モザイオを凄まじい凝視で睨んでいた男。あの時の男と
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編28 スクールカルテット・2 作家名:流れ者



