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zoku勇者 ドラクエⅨ編29 スクールカルテット・3

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送ってやろうではないか!……例えどんなハエだろうが、
私の目の前を飛ぶ辺り、全力で始末せねばならぬ……」

どうやら、しっかり喰らっている筈のスリッパ乱舞の事は無に
帰したいらしいが。魔教師エルシオンは、指を鳴らすと又別の
巨大な鞭を出し、目の前に立ちはだかる4人組を睨む。ウジ虫から
ハエへ……。ランクが昇格した様に見えているらしい……。

「ジャミルーっ!みんなーっ!頑張るんだモンーーっ!」

「「老害ジジイをぶっとばせーーっ!!」」

何時の間にか、モンも気絶から目覚め、モザイオ達と共に、
4人に声援を送っていた。

「ミラクルゾーン開放っ!ええーいっ!メラミ乱れ打ちよーっ!!」

「こしゃくな小娘めっ!……これでも喰らえええーいっ!」

「……ぎゃ、ほ、本ーーっ!!……うぎゃあーーっ!!」

エルシオンはもう片方の手で分厚い書物を出すと、アイシャでは
無く、何故か、ジャミルの方へ本の角で頭部を思い切り突く……。
元々本嫌いのジャミルにとって、これは2倍の痛手、ダメージに
なってしまった……。

「何やってんの君はわーっ!……ダ、ダウドーーっ!!」

「はいはい、え~と、取りあえずベホイミでいい……?」

「……ジャミル、とほほのほ~、なんだモン~……」

「おい、お前も結構苦労してんだな……」

「モンモン……、ジャミルにも困ったモンだモン……」

モザイオに同情され、モンはしょっぱい様な表情をするのだった。
自分の事をばっくれて棚に上げ。……エルシオンは更に躊躇せず、
テンションゲージを高めた怒りのヒャダルコ2回連続攻撃を
4人に放出。4人共、これにはHPを一気に半分に削られる事態に……。

「ハエ共め!泣いて私に縋り付け!喚くが良い!だがもう泣いて
謝っても時は遅し!」

「きゃあーーっ!!」

「アイシャっ!……ジジイっ!いい加減にしろっつってんだよーーっ!!」

鞭で叩かれるアイシャを庇い、代わりにジャミルが鞭の裁きを
受ける……。強力で非道な攻撃の嵐に、皆傷ついているメンバーを、
一体誰から回復していいのか、ダウドも戸惑う……。体力の無い
アルベルトにも限界が来ていた。全体回復が出来る自身のゴスペル
ソングも、テンションゲージが上がった時のみ、一度きりなのだから。
こんな時……。未だベホマラーを習得出来ていない事に、ダウドは
落ち込み掛けた……。

「……私の勝利だ、やはり正義は必ず……、う、うう……」

だが、突如エルシオンの方も膝を抱えて突然しゃがみ込む。
傷ついても何度も立ち上がりいつまでも諦めないしぶとい
4人組に、エルシオンも4人が必死で与えたダメージの痛み、
疲れの限界が来ていたのだった。それ程まで、ジャミル達は
エルシオンを追い詰めていた。

「……や、奴もへばってやがる、限界なんだ……、もう少し……、
皆っ!」

「私は消えぬ、消えぬわっ!クズの貴様らに真の教育を
叩き込むまではっ!!」

「いらねーってば!んなモン!……うあーーっ!!」

だが、遂に審判の時、訪れる。老害鬼教師は、友を思い、此処まで
突撃して来た若者達の強い思いの刃の前に敗れ去ったのだった。
ゆっくりと崩れていく魔教師エルシオン……。その身体から
光り出る物……。女神の果実……。

「い、いかん……、私がいなければ……、不良の巣窟に……、
が、学院が崩壊してしまう……、あ、頭が……割れそうだ、
……ぐおおおーーーっ!!」

(ジャミ公っ、果実っ、女神の果実だよっ!)

「ああ……」

魔教師エルシオンは消滅し、女神の果実はゆっくりとジャミルの
手元に落ちて来る。遂に7個目の最後の女神の果実だった。

「あはっ、ジャミルっ、やったあーっ!」

「……勝ったんだね、僕達……」

「ジャミルうううーーっ!」

仲間達もジャミルに駆け寄る。モン、そして動ける様になった
モザイオ達も。皆で勝利を祝福するのだった。

「落ち着けよ、お前ら、それにしても、見事に真っ黒だなあ~……」

「もうっ、ジャミルだってそうでしょっ!」

「マジですげえな、お前ら……、あのモンスター鬼畜をマジで
倒しちまうんだからな……」

「このしぶとい連中は一筋縄ではいかないのモンモン!」

「……モンっ!うるせーよっ!……!?」

「待って、皆っ!」

何かを感じたのか、ジャミルが警戒し、アルベルトがモザイオ達を
守る様に皆の前に立つ。魔教師エルシオンは確かに消滅した。だが、
其処にまだ1人、佇む者がいた……。

「わ、私は、今まで一体何を……、記憶が飛んでいる、此処は
私の教室ではないか、それに、君達は一体どうしたのだ、何故
そんなにボロボロな姿に……」

「あなたが……、本物のエルシオン卿……、ですね……?」

「!!」

アルベルトの言葉に皆、現れた老人の方を見る。女神の果実が
身体から消え、正気に返ったこの学院の創設者、元のエルシオン
卿であった。

「ジジイっ!何言ってんだよっ!テメエが俺達を此処に連れて
来て閉じ込めたんじゃねえか!」

「もう此処から出してよ~、何日もお風呂に入っていないのよ~……」

「お腹空いたよう~、ううう~……」

「爺さん、あんたが本当にエルシオン爺さんなんだな?もう、
おかしな気はねえか?」

「いかにも……、だが、本当に私は何も今までの記憶がないのだ……」

老人、本物のエルシオン卿は、先程大暴れしていた時とは打って
変わって、本当に普通のお爺さんになってしまっていた。モザイオは
相当切れていたが、アルベルトに宥められ、少し気持ちが落ち着いた
様で有り、話を静かに聞く気になってくれた様だった。

「……私が君達を……、……おお、そうだ、微かに思い出して
来た……、エルシオンの子らよ、私は正気を失っていた様だ、
本当に済まなかったね……、だが、私は本当に君達に更生して
欲しいと願っていたのだよ、その理由が分かるかい?」

「……」

「何故なら、君達は才能溢れる若者だ、光る宝石だからだよ、
磨けば本当に光る素晴らしい宝物を持っているんだ、なのに
君達は努力をしようとしない、だから私は果実に願った、君達に
教育を施す為の力が欲しいと……、だが、私自身が怪物になるとは……、
私の行き過ぎた教育への熱意が暴走してしまった様だ、済まなかったね……、
それから……」

「……?」

エルシオンは今度はジャミルの方を見る。じっと見つめられ、
何だかジャミルは変な気分になり頬を抑える。ダウドに回復
して貰ったとは言え、まだ頬は何となく赤みがあり、ビンタ
された際の痛みがほんの少し残っていた。

「君の名前は何と言うのかね?……そうか、ジャミル君か、
まさか学友の為、此処まで命を掛けて来るとは……、君は
本当に素晴らしい生徒だ、こんな生徒が我が学院にいて
くれていた事を私は教師として素晴らしく誇りに思う、
これで安心して眠る事が出来る、……ありがとう……」

「あ……」

エルシオンの身体が輝きだした。消滅の時間が訪れ、光と共に
彼は消えていく。漸く安心して成仏する事が出来たのだった。
その光りを、ジャミル達も、モザイオも、生徒達も暫く
ずっと見つめていた……。