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五条悟が苦悩しながらも青春を謳歌し大団円を迎える話:黎明前編

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 きらきらと光輝く物語。
 その光たちはどれも眩くて、どんな色にも変化する。

 煉獄家の中庭で、私は他の物語を覗いていた。見る人が見れば、私の前にある空間が歪み、まるで宇宙が見えているように見えるかもしれない。
「まだ起きていたのか」
 杏寿郎が私に声をかけてきた。
「あなたこそ、寝かしつけは終わったの?」
「当然だ。昼間によく遊んだからな。二人共ぐっすり眠っている」
「そう。良かったわ」
 杏寿郎と子供たちが転がるように遊んでいた姿を思い出して微笑む。
「……今宵も誰か救いに行くのか?」
「──そうよ。と答えたら?」
「もちろん俺も共に行く。俺は君のために戦い続けると決めた」
 真っ直ぐな瞳と彼の言葉に、私は微笑みを返す。
「今宵はどんな世界に行くのだろうか?」
 杏寿郎は覗き込むが、
「やはり俺ではわからんな!」
 そう言って笑った。

 私は物事を物語として認識できる魔女。
 学園と呼ばれる場所で、魔女としてのあり方を学び、使い魔召喚の儀式で煉獄杏寿郎と出逢う。
 学園を卒業できなければ、外の世界を知ることなく出来損ないの魔女として学園内で生涯を終える。
 そんな運命から、彼は私を救い出してくれた。

 ……その後、一度は別れて生きてきた私たちだけど、杏寿郎を探す長い旅の果てに、私は彼を見つけたわ。
 ──杏寿郎は私を認めて、寄り添ってくれる。
 それが何より嬉しい。

「仕方ない。説明してあげる」
 ユニゾンするように額を合わせた。イメージの共有は、魔女にとって初歩的な物語への干渉術。
「なるほど、呪霊……呪術師……」
 杏寿郎は目を閉じたまま、頭に浮かぶ言葉を口にする。
「雰囲気としては、杏寿郎の世界と同じ国、時代背景としては今より未来のようね」
「それは面白いな。見たこともない食べ物もあるようだ。身体ごといくなら着替えねば!」
 わくわくと杏寿郎は表情を輝かせていた。
「ん──」
 物語の関与を考えた時点で、物語は激しい早さで書き変わる。私は杏寿郎の物語を理解しようと集中する。
「身体は置いていきましょう。あなたには一人の呪術師を誕生から見守って導いてくれる?」
「導くのか! それは腕が鳴るな!」
 幽体が離脱するように、私と杏寿郎の意識は手を取り合って身体から抜け出した。
 私は姿を白猫に変えて、杏寿郎を背中に乗せる。まるで私が大きくなったように見えた。私たちの肉体は意識体の私たちに視線を送り一度だけ頷くと、何事もなかったかのようにゆっくりと部屋に戻っていく。

『さぁ行こう!』
『はいはい。慌てない慌てない──』
 夜毎行われる私たちのいる物語とは違う物語への干渉。戻ってくる時は一瞬で、まるで夢を見てみていたようだと彼は言う。

 私たちは『希望と絶望が交錯する青い春の世界』へと旅立った。