②五条悟が苦悩しながらも青春を謳歌し大団円を迎える話:黎明後
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ファミリーレストランの一角を占拠する妾たち。
「あー死んだ死んだ。五条家のぼんはなんの躊躇いもなく人を殺すバケモンだな」
「あぁ!? やんのかおっさん!」
「悟、落ち着いて」
「ねー! ねー! ファミレスでこんな賑やかにしてて大丈夫?」
「妾が天元様より賜った特別な帳を下ろしておる! 安心するが良い! そして盤星教 時の器の会は妾のパトロンになった! ここは妾の奢りじゃ!!」
「奢りって言うならザギンのシースーでも食わせろよー」
「ドリンクバー頼む人挙手してくださーい!! あ、ウェイトレスのお姉さん! とりあえずメニューのこっからここまで2つずつで」
「そんなに食べるのか?」
「なんか最近よくお腹が空いちゃって」
「そよかもサラダボウル食べる? 半分こしようよ。
すぐるはホットケーキ食べる? 食べさせあいっこしない?」
「いいね。そうしよう」
「すみませんー! ミックスピザも三枚追加で!」
「黒井もたくさん食べるのじゃぞ?」
「お嬢様……お友達とファミレストークしたいって言ってましたもんね……」
「泣くな黒井! これからいくらでも出来るんじゃからな!」
「俺はマグロ御膳ととんかつ定食、それとビッグパフェ──パフェは食後だ。決まってるだろ」
「──あの、とりあえずそろそろ本題に入らない?」
「そよかさん! あたたかい紅茶でも入れてきましょうか?」
「おい待て灰原ぁ!! 俺がやる!」
「えっ? 五条さんが? もしかして、やっと告白したんですか?」
「うるせー!!!」
伏黒甚爾は、ある意味不幸な男じゃった。
「お嬢様……」
甚爾の話しを聞いて、妾はいつの間にか目に涙を浮かべていた。黒井が心配そうに妾にハンカチを渡してくる。
「要は、そのおっさんの奥さんと二人目の奥さんと元旦那を取り込んだ呪霊を見つけて祓えばいいんだろ? ところでなんだよ二人目の妻って」
五条がキレ散らかしておる。一度殺されかけたからか、甚爾への当たりがつよいの。
「フリーのオカルト記者の元旦那を探していたあいつが提案してきただけだ。俺もあいつも連れ子がいたからな」
五条がガンたれておる! そよか!
「悟!」
袖を引いて名前を呼ばれただけでデレておる! わかりやすっ!!
「俺が禅院家の人間でも、誰も力を貸してはくれなかった──今となっては自業自得だが。呪術師なんてそんな奴らばかりだ」
夏油が息を呑んだ。何か思うところがあったらしい。
「そんで? おっさんはこれからどうしたいわけ?」
「呪霊の居場所さえわかれば──」
「駄目だろ。おっさんの戦い方じゃ、助かるものも助からねーよ」
「……」
「おっさん。人手不足の学校があんだけどさ、そこで雑用でもやらねぇ?」
は? と甚爾以外の全員が五条に注目する。
五条は携帯電話を取り出すと、おもむろに電話をかけ始めた。
「もしもーし? 夜蛾? 呪術高専で雑用したいって奴がいるんだけど、採用でいいよね? ──はい、けってーい!!」
携帯電話の相手はブチ切れておったぞ!? 五条はニヤニヤと笑って電話を切った。
「はい。これでおっさんは高専の人間。困ってんなら仕方がねぇ、助けてやらないとな」
得意げにニヤリと笑う。こやつ──調子に乗っておるな!
「うまい! うまい! うまいっ!!」
──ところで灰原、お主はどこを見ているのじゃ……!
作品名:②五条悟が苦悩しながらも青春を謳歌し大団円を迎える話:黎明後 作家名:ますだ



