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フジシロマユミ
フジシロマユミ
novelistID. 5831
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Lijepa nasa domovino

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「兄さん!私は昔からこうやって、はたかれてきた。マジャルにも、オーストリアにも、トルコにも、そして、兄さんにも・・・ずっと、はたかれてきたんだ。兄さんだって、そうだったでしょう?でも、でもね、この人は一度も私のことをはたかなかったんだ。ただの一度もだ!その人の事雨に当たらないようにすることもだめなのか!兄さん!」
「うるせえ!アンテいい加減にしろ!」そういうと、今度はアンテの顔を靴で踏み潰そうとした。かろうじて彼女は手のひらで受けたので、なんとか顔が潰れる事態にはならなかったが。
「ちっ!喧嘩の相手間違えるところだぜ。今はこっちだ。第一、アンテ、そいつにやられた傷口がまた開いているぜ。野戦病院を襲ったのも、お前を奪還しようとしてなんだよな。」

確かに、アンテの胸から血が滲み出している。さっきルートヴィッヒを抱えたときに無理な力がかかって、開き、さらに、マキシミリアンの足をよけようとしてさらに出血したのは明らかだった。
「ぐう・・」痛みが襲ったのか、ルートヴィッヒの隣に力なく座り込む。あわてて、他の兄弟たちが、再びクロアチアのアンテをドイツに奪われないように別の場所に移動させた。

「セルビアあああああ!おめえ絶対許せねえ!これが、兄弟に対してする態度かああ!」
「おう!そうだ!兄弟?言うこと聞かなければ、兄弟でも誰でも言うこと聞かせるのが、しつけってもんだ!」
「マキシミリアン!お前間違ってる!そんなの兄弟に対するしつけでも何でもねえ!ただの・・ただの・・・いじめじゃないかああ!」
こぶしを思い切りマキシミリアンに向ける。しかし、足場が定まっていなかったのか、こぶしは彼の肩口に当たっただけだった。



「屈辱」

「おや?たいしたことないねえ。さすがの喧嘩番長も昔日のものかい?」
「くっそお・・・」
「それとも、あの、フライパンお嬢ちゃんがいないとだめなのかい?まあ、そのお嬢ちゃんも、うちのアンテがかわいがってもらったよ。ものすごくいじめてたそうじゃないか。800年もな。けっ!捕まえたついでに、かなりの上玉だから、「楽しもう」と思ったが、メガネ君が、懇願するからやめたよ。ふふふ」

ギルベルトは厄介なことになったと思った。回りの兄弟はとくに加勢するわけではなかったので、簡単に終わるかと思ったが、この口の利き方がとにかく気に入らない。
こういうときは勤めて冷静に行かないと勝ち目はないことは分かっている。力はおそらく互角だろう。しかし、いちいち頭に血が上るようなことを言うので、どう動いていいか、分からなくなる。

「さてと・・・・ちょっと、悪いんだが・・・」
マキシミリアンが口を開く
「なんだよ。次は何だ?」

「悪いが・・・・ちょっと・・ここで、う○こしていいかな?さっき殴りかけられたら来そう・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前馬鹿か!絶対認めん!絶対嘘!するんだったらズボンの中でしろおお!」ギルベルトがいきり立つ。

「すまん、マジで、マジで来てるうううう!悪い!マジャルのフライパンどこおおおお!もうそれでいいからあああ!貸してえええええええ!」


これって・・・・・本当に喧嘩?って言うか、戦争なのか?
ぼんやりとした意識の中でルートヴィッヒは思っていた。
たしかに自分が蒔いた種に、ギルベルトを巻き込んだとはいえ、こんな状況の戦い、相手があろうことか便意を催すなんて・・・・・。

「兄者!ズ、ズボンの尻がああああ!なんか、なんか、もっこり・・・」
ボスニアのニコライが叫ぶ。

「・・・・・うん・・・・・・・・。」力なくマキシミリアンがつぶやく。

ギルベルトは、すっかり目が点になっていた。
ああああああ!こういう喧嘩ってあり?ありなのか?って言うか、これで終わったんじゃ、いったい何のために、この俺様が来たのか分からない。え、どうすればいいの?いったん休戦?ええ!
「おめ!替えのズボンあるのかー!」

しかし、雨の音に隠れて何かが近づいているのにギルベルトは気が付かなかった。
ルートヴィッヒは後ろから近づく影を見て知らせようと思ったが、全身をひどく殴られていたので、声を出すこともままならない。おまけに、二人のいるところからは少し距離がある。普通の状態だったら叫ぶか、助けに入れるのだが。
「に・・兄さ・・・・う、うし、」

ん・・ルッツが何か言いたそうだが・・・・・。


「うおおおおおお!」
突然の叫び声と共に、ギルベルトの背中を蹴り上げたものがいた。まったく後ろからの攻撃には弱いということが、再び証明されてしまった。
水溜りに思い切り体をたたきつけられる。
マキシミリアンによく似た、黒髪の少年が蹴り上げたのだ。

「兄者!今戻ってきた!大丈夫か!ズボンとパンツの替え持ってきたから!」

「おいおい、マジで信じてたのか?ツルナ・ゴラ(モンテ・ネグロ)のゴラン。冗談だよ。俺の肛門括約筋はこいつの弟みたいにゆるくねえよ。尻がもっこりしていたのはフェイクさ。ちょっと突き出せば、いいだけで。俺のはきゅっとあがったいい尻なんだ。フランスが狙っていた・・・余計なことはいいか。」

く・・・、くっそお・・・また後ろからやられた・・・。ちっとも学習できてないぞ・・。それになんで尻の御託なんか。フランシスの変態!

「さてと、最後の仕上げといくかな」

そういうとマキシミリアンはにやりと笑い、水溜りにはまって動けなくなったギルベルトの顔面を足で踏みつける。すると、泥に彼の顔面が埋まってしまった。このままでは、窒息する。
「やめて!兄さん!やめて!もういいじゃないか!死んでしまう!」
ゴランとニコライに体を押さえつけられながら、アンテが叫ぶ。
「命乞いか?お前だって、散々やられたのに。それでもなお、助けてくれとな・・本当はお前だって、こうなるはずだったんだぞ。ドイツとつるんで、俺の仲間を散々殺してくれたな。それはお前がいる限り消えないことだ。」
ギルベルトの頭を押さえつける足にいっそうの力が入る。苦しそうに手足をばたばたさせる。

「お願いだ・・・・何でも聞くから・・・もうやめて・・・・」
涙が光っている。

「仕方ないなあ・・・。かわいい兄弟の言うことだ。ここまでにしておくわ。でもな、俺まだ足りねえんだよ。ちょっとそちらの弟さん、起きているかい?見せたいものがあるんだ。俺のかわいいアンテにお前が何をしたか、今度はこちらが「やってやるから」よっく見ておけよ・・。
ルートヴィッヒは誰かに上半身を起こされ、倒れているギルベルトの姿が見えるようなところまで連れて行かれた。
「兄さん・・。兄さん!」

泥で汚れたギルベルトの顔に水をぶちまける。顔があらわになった。押さえつけられたところが赤くなっている。意識は朦朧としている。「ルッツ・・・、。」

マキシミリアンが後ろからギルベルトを抱きかかえる。
「さあ、お楽しみは、これからだぜ。」
そういうと、後ろから顎を自分のほうに乱暴に向けるといきなり、ギルベルトの唇を奪ってしまった。噛み付くような口付け。舌が、生き物のように彼の中で蠢く。「う・・・ぐ・・」
作品名:Lijepa nasa domovino 作家名:フジシロマユミ