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　目を見開いた彼の、瞳の中心を見つめる。揺れる瞳は、それでも純粋で綺麗な光を帯びている。
「好きなんです。渋沢さん、あなたが」
　はっきりと告げると、目の奥の熱が目頭まで移り、その熱を放出するように熱い雫が瞳から零れた。
　渋沢の唇は引き結ばれ、目は見開かれたまま真っ直ぐに藤代を見つめている。
　このひとは、いつどんなときでも真っ直ぐな瞳をしている。そして自分はそんな瞳に惹かれたのだと、藤代はぼんやりと思った。