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【リリなの】Nameless Ghost

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「武器の性能は言い訳にはならないか? それは単に、マスターがまだ自分を扱い切れていないと」

 デバイス達にとっては屈辱の言葉だろう。アリシアはそれを知りながらも敢えてそう応えた。

《The elder sister, we are a device. The one which has a device equally for the master. i.e. the adultery which makes the lack of its own performance the responsibility of the master. It receives mortification》(姉君殿、我々はデバイスです。デバイスは等しくマスターのためにあるもの。自身の性能の不足をマスターの責任にすることはすなわち不義。屈辱を賜ります)

 レイジングハートも言葉にはしないが、基本的にはバルディッシュに賛成なのだろう。赤い宝石は光を二度明滅させることでアリシアに応えた。

「力を求めるということか、デバイス達。だが、お前達はミッド式魔導具としてはこれ以上にないほどの高性能な機体だ。これ以上何を求める?」

 自身の強化か、それとも主の強化か。少なくともエイミィは、今回の戦闘データを参考にしたフレーム強化案を具体的に進行中だ。そうなれば、同等とは言えないにせよ少なくとも今回のような敗北は回避される。彼らはそれには不満なのだろう。自身と敵方の性能差をなくし、その上で主達には力と技を競い合う戦いを演じて貰いたい。
 そう言ったところではないかとアリシアは予想した。

《It discussed with Lord Rasingheart. Unfortunately, the opinion differed from Lord but I find power》(レイジングハート卿と話し合いました。あいにく、卿とは意見が食い違いましたが、私は力を求めます)

 先に言葉を放ったのはバルディッシュだった。

「具体的には?」

 アリシアは上目遣いでバルディッシュの、その黄金に光るレリーフの中心を睨み付けた。

《The boiling which becomes equal to the enemy must get the power which is equal to the enemy. It depends and I demand the installation of CVK792-R, the Verka formula cartridge system.》(敵と同等となるには敵と同等の力を得る必要があります。よって、私はCVK792-R、ベルカ式カートリッジシステムのインストールを要求します)

 合理的な話だ、実に合理的だとアリシアは思った。しかし、こうも思った。このデバイスは果たして主の意向を正確に理解しているのだろうか、と。おそらくフェイトは今回の戦いの不手際を自分の力不足だと思っているだろう。そして、フェイトは自分自身がさらに経験を積み強くなる必要があると考えるはずだ。そのための方法は今のフェイトには多く用意されている。クロノや自分などの経験豊富な戦闘者を始め、共に研鑽を積むことが出来る親友達。そして、今回のアリシアが証明したように、単体で対処できないのなら群れを作ること、1+1を3にも4にもする方法があるということを彼女は知ったはずだ。
 しかし、このデバイスは単独での戦闘力の向上を望んでいる。それも手持ちの武器をより高性能にすることで。つまり、バルディッシュは一騎打ちがしたいのだ。自身が敗れた魔導師とそのデバイスに対して。

「お前は、ある意味正しい騎士のデバイスだよ。いや、お前が騎士と言うべきか。閃光の戦斧バルディッシュ、お前はこれから閃光の騎士斧と名乗るといい。CVK792-Rについては私がリミエッタ管制官に具申しよう」

《The elder sister of being in thanking you》(ありがとうございます、姉君殿)

 バルディッシュに人並みの感情と実態があれば、片膝をついて傅き瞳に涙を浮かべていたかもしれない。少なくともバルディッシュ本人はそうなる予測を立てていた。

「それで、レイジングハート。バルディッシュと意見が食い違ったと聞いたけど。お前はどうなんだ? カートリッジはいらない。そう言うことで良いのかな」

《In the case of me, it thought that it should have priority over to recover the function which is original more than to get new power.And……》(私の場合は、新たな力を得ることよりも、本来の機能を取り戻すことを優先するべきと考えました。それに……)

「それに?」

《There is not a value in the easily becoming available power. When there is a value in the one which was obtained, folly soon and taking time in the finding, I think that it does power》(安易に手に入る力には価値がない。力とは愚直に求め時間をかけて手に入れたものこそ価値があると私は考えます)

「へえ、デバイスが良いこと言うじゃない。誰の受け売り?」

《It is the thought was you and to have had it from the previous owner, you who are that bell dinner arc ブルーネス is reborn》(あなたですよ、元所有者。ベルディナ・アーク・ブルーネスの生まれ変わりであるあなたからいただいた思想です)

 アリシアはなるほどねと頷いた。確かにベルディナは愚直だった。才能のない身に残された唯一の方法はただ研鑽と経験を積み上げ、努力に見合わない結果から学びさらに努力を繰り返すことだけ。
 そうして、彼は300年の時を経て最強の一翼に君臨した。

「だけど、それはマスター、高町なのはに苦渋を強いるものだ。お前はそれをよしとするの? それはデバイスとしての不義に当てはまらないかな」

《It is Alicia at the road where it isn't possible to run by now that it decided that it fought, that avoid.I don't think that master Nanoha doesn't have awakening to the degree, too》(戦うと決めた以上避けて通れない道ですよアリシア嬢。私はマスターなのはがその程度の覚悟も持ち合わせてないとは考えてはいません)