二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【リリなの】Nameless Ghost

INDEX|65ページ/147ページ|

次のページ前のページ
 

 RHの持つなのはのデータの膨大さに少し胸焼けがした。情報の殆どが映像に占められるのは致し方ないことだが、既にRHがその映像を下に簡易的に解析を行っていたことが幸いした。少し作業が楽になりそうだとユーノは笑う。ひとまず、私はユーノから伝えられた情報を整理しておこう。紙とペンを用意する。こちらの方が構想が練りやすい私はロートルなのだろうかと思う。
 バルディッシュの修理改造を担当しているマリエル・アテンザ主任から定時連絡が入った。あちらも難航しているようだ。いろいろとアドヴァイスを求められ、適当に思ったことを返しておく。彼女が趣味に走らないことを願う、フェイトのためにも。
 どうでも良いことだがRHに保存されていた映像の約4割がなのはの成長記録になってしまっているというのはどういうことだろう?
 映像解析していたユーノが突然映った入浴シーンに意識をぶっ飛ばしてしまったときには正直呆れた。おかげで1時間ほど時間を無駄にした。
 癪だったので、それらを全部削除したらRHがマジ泣きしていた。うるさいので音声機能をダウンさせる。安心しろRH、バックアップしたデータは私が有効活用してやるから。

・新暦65年 12月4日

 6:00
 気がついたら夜が明けていた。私もユーノもまだまだ大丈夫だったが、ひとまず一旦休憩にして缶コーヒーとカップ麺の朝食をとる。昨日とは異なるメーカーのものを選んだ。なかなか美味だった。これが終わったら段ボールで注文してハラオウン邸の備蓄にしておこう。
 作業効率アップのためアテンザ主任に煙草を一ダース持ってこさせる。あちらも徹夜明けで判断力が低下していたのか、快く引き受けてくれた。いい人だ、調子に乗って口説いたら思い切り引かれた。少し残念。

 6:30
 朝食終了作業に戻る。ついでに作業スペースを排気ダクトの真下に設定する。ユーノは煙が苦手だからだ。元親としてはこの程度の配慮はしてやるべきだ。
 しばらくはユーノがまとめたデータの吟味が続く。アルゴリズムの構成はまだ見えない。出来れば今日中にアウトライン程度は作り終えてしまいたいが、無理かもしれない。

 12:30
 昼飯のチャイムが鳴ったので作業をしながら高カロリーサプリメントを食する。何でこんなものにまでしっかりと味付けがしてあるのか。この件が終わったら本格的に地球に移住しようかと本気で考える。食事が美味い世界に悪いところはないというのが私の持論だ。
 後ろでユーノが「もっとまともな食事が食べたい」と呟いていた。なにやら貶された気がしたのでからになったコーヒー缶投げつけてやった。

 13:30
 やはりアクティブレーダーは必要だとユーノと話し合う。なのははどちらかというと単体戦闘に傾倒しているという傾向がPT事件の戦闘データから推測できた。私の基本思考は集団戦闘寄りだったためそれには反対したかったが、管理局の高ランク保持者の多くになのはと同じ傾向が見られることを鑑みて、将来的には何のバックアップを得られない状態での対集団戦闘に耐えうるシステムを構築する必要があるのではないかとユーノから提案があった。
 ひとまず、それは置いておくことにするが、やはり索敵程度は自前で出来た方がいいと私も思う。必要機能のリストにアクティブレーダーを追加。幸い、TAのハードウェアには高性能のアクティブレーダーが備わっており、現代のメーカー品でも問題なくパーツを構成できるらしい。いくら高性能のものでも現代のものと互換性がなければ意味はない。

 15:00
 やはりなのはは砲撃と射撃かと結論を出す。理想としてはクロノ執務官のようなオールラウンダー、マルチロールなのだが、一朝一夕で近接やトラップ設置を収得させることは不可能と断定する。
 砲撃は単純に威力、射程、命中精度、魔力の効率化を行うだけだが、射撃に関しては意見が分かれる。
 私は、弾速と弾数を優先したかったが、ユーノは命中精度と誘導性能を重視するべきだという。それぞれの良いところ取りをしたいのだがうまくいくか。ひとまず、それぞれの意見を参考にしたアウトラインを制作することとする。

 18:30
 夕食中にアテンザ主任から連絡が入る。どうやら、プレシードをバルディッシュのテストステージとして利用させて貰えないかとのことだった。確かに、主力となるバルディッシュでいきなり試験を行うわけにはいかないということも分かる。プレシードは元々それが作られた目的だと了承しており、マスターである私の許可が必要だと言うらしい。
 ひとまず、情報収集と処理機能を落とさないのであればということを条件に了承する。プレシードの戦闘力は当てにしていないのでそのあたりは問題ない。アテンザ主任はこの期にプレシードにもカートリッジシステムを搭載しようかと提案してくる。
 正直なところ、カートリッジを搭載しても私では魔力を制御しきれないだろうから不要だとと答えるが、アテンザ主任はそのあたりのことも考慮して改良すると言っている。何でも、念のため二基発注したカートリッジモジュールの片方の使い道がないとのことだ。今後、このシステムは管理局の主力になるかもしれないので今から出来る限りの研究がしたいとのこと。
 探求心が旺盛なことは良いことだが、それでバルディッシュの完成度が下がるようなら本末転倒だと一応注意しておき、時間が空いたらということで了承する。
 カートリッジシステムか、私には不要だな。

 19:00
 どことなく気分がそわそわとしてきた。ずっとデスクに座りっぱなしだったため尻が痛い。股をさすっているとなにやら奇妙な気分になったのでやめた。代わりにRHに音楽をかけて貰う。地球ではやりの歌手の歌らしい。日本語というのはいまいちなじみが浅いがなかなか良い声をしていると思った。何でも日本のサブカルチャーであるアニメーションの声当てもしている歌手らしい。
 気のせいか、その歌手の声がフェイトの声に似ていると思ってしまった。今度、宴会の席で歌わせてみようか。
 ついでにRHよ、曲に合わせて鼻歌を歌うのはやめろ。気が散る。

 23:30
 射撃と砲撃、そして防御に特化したデバイスという構想が固まった。結局射撃に関しては弾速と弾数を上げつつ誘導性能を向上させるという、ある意味妥協のない機能とすると同意した。
 この射撃魔法を【Accele Shooter】と名付けアルゴリズムの細部の構築に入る。
 多目標自動迎撃により、射撃時も行動を停止する必要のないシステム構成としたいが、それで消費されるリソースが莫大すぎることに嫌気が差す。
 個人ユーズのアクティブレーダーを使用し、6発同時誘導でマンターゲットに正確に着弾する距離を算出したところその答えは40メートル以内という結果が出た。これは理論値であるので、実際にはもっと精度は落ちるだろう。
 ドッグファイトのみを主体にすればこれもありかもしれないが、なのははあくまで中遠距離がフィールドとなる。最低でも250メートル。弾数も従来の倍の12発を同時に制御したい。