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【リリなの】Nameless Ghost

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 アクティブレーダーを増設することも考えたが、それに回るコストも考えれば却下せざるを得ない。魔力にも若干余裕がなくなることも問題の一つだ。
 何か良い案はないかと過去の文献を調べる。管理局のデータベースだけでは足りない。魔法以外の技術にも目を向ける必要があるかもしれない。

・新暦65年 12月5日

 6:00
 カップ麺美味い。二徹目で少し間隔がぼやけてきた。眠気覚ましのドリンクを飲んでおくことにする。

 12:00
 サプリメントをかじりながら作業。風呂に入っていないせいか体中が痒くて仕方がない。肌が弱いのでぼりぼりかいていたら腕が真っ赤になってしまったので自重する。
 データの整理もあらかた終了したのでユーノにアルゴリズムの一部を委託する。私は昨日に続いて射撃誘導の効率化の問題に取り組む。
 地球にはイージス艦なる兵器があるらしい。少し興味が湧いたので細部に関して検索を欠けるが、管理外世界の情報を閲覧するには権限が足りない。困った。お手上げかもしれない。

 19:00
 アテンザ主任から定時連絡。いきなり「ドリルは男のロマンですよね?」と聞かれてつい同意してしまう。お前は女ではなかったのかというつっこみは出なかった。私も疲れているのだろうか。ドリル談義でしばらく盛り上がる。終わってみて何を話しているのだ私はと思ってしまう。私の1時間を返してほしい。
 というより、アテンザ主任。付けるなよ、付けるなよ、付けるなっていってんだろ。

 21:00
 研究ノートの一頁に「ドリルミサイル搭載に関する考察」という項目がいつの間にか出来ていた。私の筆跡のようだが身に覚えがない、でっかいバッテンを付けておく。そう言えば後ろからユーノの独り言が聞こえる。聞いていて不快だったので耳栓をする。
 地球の兵器に関する検索は、ハラオウン邸のPCにアクセスすることで解消した。不正アクセスの一種だが後で事情を説明しておこう。ちなみにハラオウン邸のPCはユーノのお下がりをやすく譲って貰ったものだ。電気動力だけで良くあそこまでのシステムを構築できると感心する。

 23:00
 やはり地球のイージスシステムに着目したのは正解だった。70を超える目標に対する同時迎撃機能。さらには驚異別に目標優先度を設定した上での自動迎撃。セミ・アクティブ・ホーミング。【Accele Shooter】の基本概要はこれで行くことに決定。
 セミ・アクティブ・ホーミングに関する細かい技術を解析。初期入力、中間慣性制御、終末誘導このそれぞれで異なる制御を行えば、少ない機構で効率的な迎撃が可能と考察。TAの補足用レーダー、イルミネーターを3基ほどリミットを解除する。このレーダーならアクティブレーダーよりもさらに指向性を高くし、現実的に1km先の移動目標も追尾できるはずだ。さらに使える概要がないか地球のネットを調べる。質量兵器は面白い。
 漸くアルゴリズムの構築が終了した。後は具体的にプログラム言語に書き上げていくだけだ。ゲインやしきい値はシミュレーションを行うことで修正していくことにする。なのはに引き渡した後にRHが独自に学習して設定できるように簡易的な階層型強化学習機能の搭載も視野に入れる。仕事が増えてしまったかもしれない。

・新暦65年12月6日

 6:00
 ひとまずユーノ担当のプログラムが完成したと報告を受けたので、それらをシミュレーターにかける。デジタル空間上に仮想的なデバイスを設定し、その中でプログラムを走らせる。デバイス設定にはより現実性を持たせるため、その制御部分にRHを接続させる。
 これに関する微調整とバグ取りはユーノに任せ、【Accele Shooter】の完成を目指す。

 8:00
 プログラミングが完了した。コンパイルもバグが200程度で収まった。殆どが記入ミスと/0(分母0)発散の問題だったので一時間ほどで修正完了。ビルド結果もセグメンテーション違反は確認されない。メモリー部分に余裕を見て設定したのでおそらくシミュレーションでも問題は出ないはずだ。
 早速【Accele Shooter】の仮想実験のためシミュレーターに接続する。ユーノはデバッグ作業に戻りしばらくシミュレーターは使わないらしい。手早く済ませる。

 10:00
 おかしい。シューターに緒言入力、慣性誘導までは問題なく作動するにも関わらず、終末誘導で不規則な軌道のばらつきが観測される。この部分はセミ・アクティブ・ホーミングの基幹となる部分なのでこれがうまくいかないと話にならない。
 プログラムの見直しと同時にユーノにハードウェアの確認を依頼する。レーダー、イルミネーター、弾殻形成機構に問題なし、それぞれの情報共有と通信伝達にもエラー無し。値も規定値をマークしている。ならばプログラムか。
 リアルタイム性を確保するためにRT−OSを組み込んだためそれと従来のOSの整合性に問題が生じているのかもしれない。
 同時制御のために用意した状態方程式の行列式の計算に若干の不具合があった。それで機動のばらつきはある程度解消されたが、仮想空間で完璧に作動させないと実空間での運用は無理だろう。
 RT−OSのデータシートをもう一度確認する。RHの既存OSではサポートしきれない部分がないかをチェック。

 11:00
 RT−OSの不整合が発見された。どうやら本体と弾殻間の双方伝達に不具合があるようだ。緒言入力と慣性誘導は基本的に弾殻からのフィードバックを受けないため問題はないが、終末誘導ではかなりの高頻度で双方通信を行うためそこにノイズが乗ってしまったらしい。
 そのノイズと弾殻機動の不規則性が殆ど一致したのでこれで間違いないはずだ。通信ゲインを下げればノイズも小さくなるが、誤差の範囲内に納めるには通信距離を100メートル以下に設定しなければいけないようだ。ノイズキャンセルのフィルターも考えたが、このレベルでは即応性と制御信号のゲインもかなり落とさなければならない。
 もっと早く気がついていれば改善策を講じることも出来たが、タイムテーブルの残り時間もあと僅かだ。ただでさえ遅れているところにこれ以上の遅延は認められない。次の作戦は決定している。最低限それまでに間に合わせなければいけない。
 気ばかり焦り上手い策が思いつかない。これは詰みか?

 13:00
 クロノ執務官から催促の連絡が来た。どうやら、アテンザ主任は殆どの作業を終わらせているらしい。出来ることなら今晩中にとのことだ。泣き言を言っている暇はない、とにかく解決策を模索しつつRHの艤装に取りかかる。レーダーとイルミネーターに手を出せなくなるが、それをプログラム上で解決することにする。

 14:00