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【リリなの】Nameless Ghost

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《The success for the correction of the setting value. It made an input/output gain be 15 % downed. The cope-ability decreases by the ms unit but this degree seems to be the best value of the master probably. Incidentally, because it sets the output of reacter, too, from 30 % to 20 % once more, the thing like previous seems not to happen》(設定値の修正に成功。入出力ゲインを15%ダウンさせました。即応性はミリセック単位で減少しますが、おそらくこの程度がマスターの最適値かと思われます。なお、魔導炉の出力も30%から20%に設定し直しましたので、先ほどのような事は起こらないと思われます)

「あ、ありがとう。レイジングハート」

 なのはは、レイジングハートからの報告に礼を述べた。それにしても、さっきの状態でまだ魔導炉は3割程度しか稼働していなかったのかとなのはは知り、もしもこれが全力運転を開始すれば、自分の身体はどうなってしまうのかと恐怖に身をすくめた。
 おそらく、命を賭けなければならない絶対的な状況にならないとそれは使用することは出来ないだろう。そして、そのときこそが自分にとって最後の戦場になることも絶対的に決められたことだ。
 力を持つこと。その恐ろしさ。その片鱗をかいま見て、なのはは自身を奮い立たせる。

(やせ我慢でもいい。私は、一人じゃないんだから!)

 なのははそう自分自身に檄を飛ばし、再びレイジングハートを構えた。

「ユーノ君、今度は、こっちからいこう。私が撃つから、その隙にユーノ君が捕まえて!」

 先ほどはイレギュラーが生じたとはいえ彼女の攻撃を受けきることが出来た。しかし、出力を抑えた今の状態ではおそらくあれだけの防御性能と即応性を発揮することは出来ないだろう。つまり、先ほどと同じ状況を作られれば、敗北するのはこちらだ。
 だったら、打って出る。先手を打たせない。相手の行動すべてをこちらの制御下に入れる。
 それは、先の戦闘でアリシアが示した事だ。それさえ完璧に行えれば、たとえ劣る戦力であっても十分相手を追い詰めることが出来る。

「分かった。僕の後ろから。ヴィータの死角から撃って」

 ユーノはなのはに託し、自分のやるべき事を確認した。

「うん。行くよ、レイジングハート」

《Yes,Master. 【Accele Shooter】stand by》

 レイジングハートは新たに組み込まれた、今回の改良の真骨頂とも言える魔法プログラムを儀式のように一つずつロードし、なのはの魔力と魔導炉から供給されるエネルギーを先端に収束させ輝かせる。

「アクセル・シューター……シュート!」

《Ready!》

 なのはとレイジングハート。一人と一つの声が重なり、一気に発動した魔力は12状の桃色の軌跡となって爆発的に加速される。

《The specification entry. controlling a middle warhead is right. To that Little of the master, the sight. All end induction is done by the control of me》(諸元入力。中間弾頭制御良好。マスター、照準をあのリトルへ。終末誘導はすべて私の制御で行われます)

 瞬間的になのはの脳裏にもたらされる情報に彼女は目を見開く。
 アクティブ・レーダーから供給される周囲の情報。そして、新設されたイルミネーターの制御のみが自分に与えられ、自身が行うことはただその方向を制御する事のみ。

 軽い。となのはは感じた。

「んな!?」

 突然ユーノの背後から放たれた12の光線。それが魔力弾頭だと気がついたヴィータは「バカな奴」と思ったが、それらが曲線を描きそれぞれ異なる軌道を描いて自分に襲いかかってくる様を見せつけられそれは「バカな!」という驚愕に入れ替わった。

「こんな膨大な弾。一人で制御できるはずはねぇ!」

 ヴィータは一瞬全方位防御魔法【Panzerhindernis】の展開を思い立つが、行動を止めればユーノに喰われるだけだとそれを棄却し、乱暴に舌をうちながら襲い来る魔法弾頭を必死の思いで回避する。

《Semi- activist homing's being good. In the error fixed value》(セミ・アクティブ・ホーミング良好。誤差既定値内)

「なんだかよく分からないけど、いけてるんだね?」

《Yes,Master. You are perfect》

 なのはは空中の足場に立ち、いつものように行動を止めてただイルミネーターの照準を必死に動き回るヴィータに会わせ続ける。
 なのははまだ三基のイルミネーターの一つしか活用できていない。今回の目標が一体であることからそれは十分と言えるのだが、一体の目標に対して三基のイルミネーターを同時運用すれば、その分精度も向上する。
 しかし、求めるのはまだ先だとレイジングハートは判断し、いずれこれが動きながらも出来るようになれば良いと密かに思いながら弾頭の制御を続けた。

「チェーン・バインド! いい加減、捕まってよヴィータ!」

 グラーフ・アイゼンを振り回し、ユーノが召喚した鎖となのはが発射した弾頭を地道な作業で打ち落とすヴィータはようやく焦りから復帰しつつあった。

「捕まえてみやがれ! イージス。うらぁ!!」

 密度が減りつつある弾頭の合間を縫ってヴィータはユーノへと打撃を放つ。

「捕まらないから言ってるんじゃないか! 往生際が悪いよ。僕となのはのタッグは絶対負けないんだからね!!」

 ラケーテンから通常のフォルムに戻ったグラーフ・アイゼンをシールドで受け流しつつユーノは間隙を入れずリング・バインドでヴィータを空中に固定しようとするが、ヴィータはインパクトが通らないと判断すればすぐに離脱を繰り返すため思うように彼女を捕らえることは出来ない。

「だったら、ベルカの騎士に負けはねぇ! 負けねぇってことは、絶対勝つって事だ!! はや……主のためにも、あたしは絶対負けられねぇんだよ!」

 最後の弾頭を打ち落としたヴィータはようやくカートリッジをロードし、そのフォルムを再びラケーテンへとシフトさせる。

「もう一度、アクセル・シューター、シュート!」

 弾をとぎれさせるわけには行かない。自分がイルミネーターをもっと美味く使えていたら一基あたり12発の三倍の弾頭を制御できるはずなのにとなのははもどかしくなるが、無理は出来ないと心に言い聞かせ再び12発のアクセル・シューターを射出する。

「まだくんのかよ!」

 ヴィータは、鉄球を三発生み出しそれを大槌で薙ぎ払うように打ち出した。

「!!!」