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GANTZ Paradise Lost 野球星人篇

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気がつくと、俺はやはり、あの部屋に戻っていた。

「ナオ!無事だったんじゃな!」

秀吉が言う。
その傍らには縦ロールの少女も居る。
どうやら全員無事らしい。

「ああ、まあな・・・」

何とか全員生還出来た事に安堵していると・・・





・・・・・・ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ・・・・・・






けたたましい発車ベルのような轟音を黒い球体が発し始める。

「っ!?今度は何だ・・・?」

「ラジオ体操の次は・・・発車ベル?」

「事あるごとにいちいち騒がしい球体じゃの・・・」

「おっ、ガンツが採点始めるみてェだな・・・」

と、ここで丈一郎が「ガンツ」なる単語を口にした。

「はあ?が、ガンツぅ?」

「うん、ガンツ」

丈一郎はそう言いながら黒い球体を見る。
どうやらガンツとはこの得体の知れない球体の名前らしい。
すると、丈一郎ににガンツと呼ばれた黒い球体の表面にメッセージが浮かび上がる。

『それぢわ、ちいてんお、はじぬる。』

「・・・“ちいてん”ってなんじゃ・・・?」

「“さいてん”の事じゃないかしら・・・」


『きょにゅう・・・0てん
         ちちでかすぎ
         かげうすすぎ
         Jゃべらなちすぎ』

「・・・・きょにゅう、って・・・・」

「わ、私ぃ!?」

縦ロールが俺の横で狼狽する。

「まあ、確かに乳はでかいな・・・・」

「ちょっ!?どこ見て言ってるんですか!?・・・・しかも0点だし、影薄いって・・・」

確かに彼女は特に目立った事はしてなかったな・・・・


『猿(笑)・・・0てん
        ビビりすぎ
        かげうすすぎ』
        

「さ、猿って・・・・ワシの事か!?」

後ろで秀吉が言う。

「つか、何で猿・・・?」

「これ・・・ウケ狙いですよね・・・・」

どうやらこの採点は点数以外にもご丁寧にアダ名まで付けてくれるらしい。
・・・ちょっとおもしれーかも・・・・・
次は誰の番かと待っていると・・・


『ナオちゃん・・・0てん
          ビビりすぎ
          逃げすぎ
          きょにゅう見てはなぢ出Jすぎ』




「ナオちゃんて・・・」




・・・・アダ名、フツー過ぎるだろ!!
もう少し捻れよ!他になんかあるだろーが!

「ナオはいいのう、普通のありふれたアダ名で・・・」

秀吉と縦ロールが羨望の目で俺を見る。
うっせーよ!なんかこれじゃ、俺が超・無個性な人間みたいな感じになるじゃねーか!
・・・・まあ、それでも猿とか言うアダ名つけられるよりかはまだマシか・・・
あと、ありふれてて悪かったな!


『西くん・・・Зてん
       とーたる90てん
       あと10てんで、おわり』


「・・・・3点って・・・良いのか・・・?」

「チッ、3点かよ・・・まあ、いいや・・・」


そして、全員の採点を終えたガンツはまるでパソコンの電源がショートしたかのように動かなくなった。

「・・・・あれ・・・これで終わり?」

「案外、あっさり終わったのう・・・」

すると、再び指先から違和感が。
見るとまたしても消え始めていた。

「んじゃ、おつかれー」

丈一郎は手を振った。
その手も徐々に消え始めている。

「お、おい、これからどーなるんだよ、これ!?」

「どーなるッて・・・死んだ場所に転送されてるんだよ」

「・・・はあ!?ちょ、ちょっと待・・・・」

しかし、俺のセリフは途中で途切れた。
顔の下半分が消えたからだろう。
そのまま俺はその部屋から消えていった・・・