GANTZ Paradise Lost 野球星人篇
第二話・行ッて下ちい。
「・・・・・・・は?」
「な、何だよ、コレ・・・」
「何でしょうね、コレ・・・」
突然、黒い球体に浮かび上がったメッセージに周囲は騒然する。
「てめえたちのいのちはなくなりました、あたらしいいのちをどうつかおうとわたしのかって、というりくつなわけだす、だってよ・・・つか、何コレwww字間違いまくってんじゃんwwww超ウケルwww」
「やはり、私の言った通り、ここは天国のようですな・・・」
「これってさ、スゲー馬鹿馬鹿しい文章だけどさ、真面目に受け取るとスゲー怖え文章だよなぁ」
様々な憶測や野次が飛んでいた、その時・・・・・・
・・・・・・・ピュゥゥゥゥゥイィィィィィィィーーーーーーーーー・・・・・・
黒い球体からレーザービームのような光線が床に向かって照射され始めた。
「ッ!?」
「今度は何だァ!?」
突然の出来事に、周囲は更にざわつく。
そうしている間にも、球体から発せられた光線は少しずつ人型のような形状を成してきた。
どうやら俺と秀吉もこのようにしてこの部屋に来たらしい。
やがてその人型は徐々に立体化していく。
体つきからして、小柄な女性のようだが・・・
「また新しく来るみたいですね・・・」
人型が完全に立体化した。
そしてその送られてきた人物は・・・・
「こ、こ、こ、これは、あまり良くない・・・ですね・・・・」
山田がメガネをクイ、と持ち上げひどく赤面しながら言う。
その理由は・・・・
「うっひょーっ、裸じゃん、裸♪ラッキー、写メ撮っとこwww」
金髪のチンピラが下卑た笑いと共にケータイのシャッターを切りまくる。
そう、転送されてきた女性は、ほぼ裸だった・・・・・
とは言え、全裸と言うわけでもなく半裸、という表現が正しいかもしれない。
それでも着ている、と言うよりかは肢体を覆っている衣服(多分どっかの学校の制服)はビリビリに破け、局部だけが隠れていると言うある意味、マッパよりヤバい、とにかくどエロい格好であった。
・・・・しかもご丁寧に、スタイルは抜群であった。
(・・・・・・え、なにこの娘・・・・小柄な割にめっちゃ巨乳じゃん・・・・しかも顔も結構可愛いし・・・・・)
・・・・えっと・・・とりあえず、口で説明するとだな・・・・あのね、とにかくでかいんだわ、胸が。
髪は金髪で巻き髪ツインテールにしてあって、千切れた衣服の下からはスーパーモデルもかくや、って位のくびれが覗く。
まあ、要は俺のストライクゾーンど真ん中ってワケ。
しかも、これだけの要素が集まっている上に、半裸を晒してるときたもんだ。
「・・・・」
「ナ、ナオ・・・お主、鼻血が出ておるぞい・・・」
秀吉が後ろから何か言ってるが、気にしない、気にしない・・・・
・・・とは言え俺は鼻血を拭いた。
「・・・・・・ん」
そうしていると、少女が目を覚ました。
「あ、目ェ覚めたみてえだな」
少女はしばらく自分の状況が飲み込めずにポカン、としていた。
まあ、そりゃあ当然だわな・・・死んだ瞬間にこんな訳のわからん空間にいるんだし・・・
そしてその少女は呟く。
「・・・・・こ・・・こ・・・どこ・・・・?」
そしてそのまま力なく床に倒れた。
倒れた瞬間、彼女の柔らかそうな双丘がたゆん、と揺らぐ。
何とも官能的な光景だ、いいね。
・・・でも、普通に考えてみろ、相手はほぼ裸に近いんだぜ?
男なら・・・・・・やっぱ、押し倒してそのまま本能の赴くままに・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・って、そうじゃない、そうじゃない・・・・・・・・・・・・・・・
確かに、そうしたい気はある。
そりゃあ、やっぱ男だからな・・・・
でも、それをやったら大事な何かを失いそうな気がする・・・・。
・・・・・・ファサッ・・・・・・
だから俺は代わりに着ていた学ランをかけてやった。
「・・・・ふえ?」
突然の俺の行動にまたも少女はキョトンとする。
「着とけ・・・・まあ、その、何だ・・・このままだと、俺、襲いたくなっちまうだろうから・・・・」
・・・・・うーわ・・・何言ってんだ、俺!!
クッソ青臭え事言ってんじゃん!?
我ながら、自らの青臭さとツンデレっぷりに少しビビる。
「・・・おい、そこのガキ・・・」
すると後ろからドスの効いた声で呼ばれる。
「は?」
振り向くと、先ほどのヤクザ二人組の片割れがこちらを睨めつけている。
「・・・痛ぇ目見たくないんなら、その小娘を渡せ・・・」
うわわ、恐ぇぇ。
ヤクザなんて映画とかドラマでしか見た事なかったけど、実際に面と向かうとかなりの威圧感がある。
後、実は俺、今ちょっと涙目になりかけてるんですわ。
だって、拒否ったらどうなるかは目に見えてるじゃん・・・・
でもここで断らなかったら、多分あの子はレイプされるか暴力振るわれるかもしれないし・・・。
「・・・・・・・・・・・悪ぃけど、断るぜ・・・・・」
・・・・・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッっっっっっっっっっっっっっっっっっっ俺の馬鹿ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっ
何言ってんだ、何を言ってんだ、俺えええええええええええええええええええええええええええええええ
ヤクザ相手にカッコつけてどぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーすんのよぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーっっっっっっっ
っっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!
「・・・・・・・・そうか、なら、力ずくで渡してもらうかぁぁぁぁぁ!!!!」
ヤクザはそのまま俺の顔面に固く握った拳を飛ばす。
(・・・・あー、こりゃ骨の一本や二本じゃすまねーわ・・・)
俺は半ば諦め、これから訪れるであろう痛みと衝撃に備えた。
しかし、いつまで待っても衝撃は来なかった。
「・・・・・ぐああああああっ!!」
代わりにヤクザの絶叫が聞こえる。
恐る恐る見ると秀吉が俺の方へ来るはずだった拳を受け止め、尚且つ、ヤクザの腕を極めていた。
「てめっ!・・・・放しやがれ!!!」
秀吉はそのままゆっくりとヤクザを解放する。
相当強い力で絞めていたのか、ヤクザの腕には力が入らないようだった。
「ぐぬぅ・・・覚えとれ、クソガキがぁぁっ!!」
ヤクザはそのまま悪態をついてブラブラになった腕を激しく揺らしながら自分の元いた場所に戻った。
「・・・・秀吉・・・お前・・・大丈夫か・・・?」
「うむ、平気じゃ」
・・・・つーか秀吉、お前女っぽい見かけの割にけっこう強いのな・・・・
作品名:GANTZ Paradise Lost 野球星人篇 作家名:プラスチッカー