GANTZ Paradise Lost 野球星人篇
第三話・入間ぢゃねぇ
『60:59:04』
「・・・・あれ・・・?」
気がつくと、俺は外に居た。
周りを見渡すがどうやら魔物はいないようだ。
その代わりに閑静な住宅街が広がっている。
「・・・・何だよ、異世界じゃねえのかよ・・・」
俺は少し鼻白んだ。
これじゃ、慌てて銃とか持ってきた意味ねえじゃん・・・
ただ、その住宅街には妙な違和感があった。
何処の家からも人の声どころか気配すらないのだ。
俺は時計を確認する。
デジタルの文字盤に7:15とある。
普通なら夕食時でどの家々からもテレビの音や声が聞こえてくるはずだが・・・
「・・・・・まあ、良いか・・・・・・そんな事より・・・」
俺は先ほどのアタッシェケースから件のメカっぽいスーツを取り出した。
「コスプレ・・・・にしては凝った造りしてるよなあ・・・」
もっとも、最近のコスプレは極端にリアルなシロモノが多いと聞くが・・・
・・・・・着てみるか・・・・。
俺は一応そのコスプレ然としたスーツを着てみる事にした。
ただ、いくら人の気配がないとはいえ、外で生着替えをする訳にもいかないので、近くにあった公園の茂みで着替える事にした。
「・・・・何だ、これ・・・キツ・・・」
しかし、そのスーツは意外にも窮屈で着るのにかなり梃子摺った。
それだけでなく、このスーツは上半身と下半身にパーツが分かれていて尚の事時間がかかる。
何だかんだで俺はその後、約数分間に渡って悪戦苦闘する事になった・・・
10分後・・・・
「ふう・・・・やっと着れた・・・」
俺は何とかスーツを着替え終えた。
しかし、このスーツ、何故か俺の身体のサイズとほぼドンピシャだった。
それこそ、俺専用にあつらえた、とも言えるほどだ。
スーツは全体的に機械的で、胸部や顎、足や背中にボタン型の器具がついている。
大腿部分にはホルスターがあったので、そこにハンドガンを収納する。
「・・・ちょっとカッコいいかも・・・」
そんな惚気た事を考えていると・・・
・・・・しゃははははははははははははははははははははははははははははははははは・・・・
神経を逆撫でするようなクソ腹立たしい笑い声が聞こえる。
俺は声のする方を見た。
そこには・・・
作品名:GANTZ Paradise Lost 野球星人篇 作家名:プラスチッカー