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GANTZ Paradise Lost 野球星人篇

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『49:32:07』


「何なんだ、ここは・・・」

「とりあえず外には出られたみたいですね・・・」

「・・・・・」

一方、その頃・・・
直人とは別の場所に転送されていた秀吉を始めとする他メンバー達は星人を探す、と言うでもなくただ、辺りを散策していた。

「あの電車、何線でしたっけ?」

山田が近くを走っていた電車を指して言う。

「まあ、とにかく、最寄の駅を探すとしようか・・・」

そう言って、鈴木は駅に向かって歩き出した。
彼らも鈴木の後に続く。

――もしかすると、これで政界に復帰できるかもしれない・・・――

鈴木はふと、そんな事を思った。

――だとすれば、私にもまだチャンスがある!今度こそあのクソ生意気な総理を叩き潰して私が次期総理となるチャンスがあると言う事か・・・――

――・・・クソぉ、何か一発ヤりてぇ・・・このままソープにでも行くかな・・・――

――チッ、あのクソガキ、さっきはよくもやってくれやがって・・・帰るまでにブチ殺す・・・ついでにあの姉ちゃんもぜってー、犯ッてやる・・・――

――ケッ、本物の銃だったら良かったのによぉ・・・――

――良かった~、やっと帰れる・・・今日は確か、生徒達のテストの採点しなきゃいけなかったんだよなあ・・・――

鈴木と同じく、他のメンバーも各々の思考に耽る。




「・・・いい事教えてやろうかぁ・・・」

と、突然、先ほどまでむっつりと黙り込んでいた西丈一郎が口を開く。

「この地球にはさぁ、人間にばれないようにコソコソと犯罪者宇宙人が入り込んで生活してるんだぁ・・・」

丈一郎は、まるで自分に酔ったように喋る。

「んで、俺たちは日本政府の秘密機関からスカウトされたってわけ。だから今からその宇宙人をヤッつけに行くのさ・・・!」

このあるのかないのかよく分からない理屈に一同は少しキョトンとしていたが・・・

「・・・はあ?お前何言ってんのwww宇宙人とか秘密機関ってwwwwウwwケwwルww」

最初に金髪が口を開く。

「あのさぁ・・・それって、ムーとか、小説の中での話でしょう?」

続いて山田。

「少年よ・・・今の政府にはそんな莫大な基金なんて無いよ」

鈴木もそれに続く。

「ま、別に信じなくてもいーけどさぁ・・・一匹殺す毎に1000万出るらしいよ・・・」

「「「「「っ!?」」」」」

まさかの1000万と言う額に後の5人は驚愕する。

――1000万もあったら・・・ソープが丸々一軒買えるじゃねぇか・・・――

ヤクザの片割れはふと思った。

「・・・あー、でもそれってちょっと妄想入ってない?」

と、山田はあくまでも現実的だ。

「俺の親父ってさぁ・・・内閣情報室のトップなんだよねぇ・・・」

しかし、当の丈一郎も譲らない。

「・・・・何と、君はまさか、あの西次官の息子かね・・・?」

すると、ここで鈴木が反応した。

「確かに、情報機関室には西、という男が居た・・・まるで剃刀の様に切れる男だ・・・あの男は官僚にしては珍しく、嘘だけは絶対に言わない・・・」

「げぇっ、マジかよ・・・」

すると、丈一郎はおもむろに腕からリモコンのような器具を取り出す。
中央部にタッチパネル、右側にジョグダイヤル、左側にセンサーが配置された、どこぞのリモコン型コントローラーのような形状をしている。

「居場所とか星人のデータはここに出てるから・・・」

「おおっ!これがここか!?」

金髪がリモコン中央のタッチパネルに表示された現在地を指差して言う。

「1000万か・・・悪くない・・・」

「だがまさか、そんな事が有り得ると・・・・」

鈴木がまたも反論する。

「鈴木先生・・・」

と、ここで丈一郎が穏やかに言った。

「官僚は政治家に本当のことを話さないんだよ・・・まあ、なんつったってただのカモフラージュでしかないからね・・・」

「・・・・そうだったのか・・・・」

「まあ、要はここに居る皆、宇宙人狩りのためにスカウトされた人間で・・・・」

「ちょっと待て、ワシは納得がいかぬぞ・・・」

すると、秀吉が丈一郎を制して言う。

「そもそも、ワシはスカウトなど受けた覚えはないぞい」

「じゃあ、さ・・・あの黒い球の部屋に来る直前に誰かに話しかけられなかった?」

「っ!?」

その瞬間、秀吉の脳裏で今日一日に出会った人々の顔が走馬灯のように駆け巡る。
自信の姉、両親、友人、担任、直人・・・・
しかし、どれを思い出しても特に当てはまらなかったが・・・・



「あっ!?」



秀吉はふと思い出した。
あの部屋に来る前、帰り道で直人と再会する前・・・・








『あの~、ここから駅まではどうやったら行けますかねぇ?』










そう、秀吉は今日、校門前である老婆に道を尋ねられたのだ。
普通なら何の変哲も無い、ただ道を知りたいだけのばあさんだが、丈一郎の発言からすると、そんな解釈もできる。

「・・・・まさか・・・・」

「ね?覚えあるでしょ?」

丈一郎は勝ち誇ったような顔で言う。

「あっ、時間制限・・・!」

すると、山田が思い出したかのように叫ぶ。

「おっと、忘れてたぜ」

「1000万、1000万♪」

そのまま、山田達はどこかへと走り去った。

「フンっ、馬鹿馬鹿しい・・・私は帰る!」

鈴木も立ち去ってしまった。
後に残ったのは秀吉と縦ロールの少女だけだった。

「あの・・・・これから私達、どうなるんですか・・・・?」

縦ロールの少女が口を開く。

「まあ、いつまでもここにいる訳にはいかぬからのう・・・・」

しかし、秀吉には何をすれば良いのかさっぱりだった。

「・・・・まあ、とりあえずは、ナオを探す事にしようかのう・・・・」